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物・語りの『ユリシーズ』 ナラトロジカル・アプローチ

道木一弘/著

3850円
ポイント 1% (38p)
発売日 2009/06/28 発売
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仕様

商品番号NEOBK-564163
JAN/ISBN 9784523293101
メディア 本/雑誌
販売南雲堂
ページ数 342

著者・出版社・関連アーティスト

商品説明

『ユリシーズ』は物語ではなく「物・語り」である。通常、「物」は自ら言葉を発することがなく、一方的に「語られる」存在である。植民地支配によって本来の言葉と文化を奪われた人々、政治的・宗教的迫害によって故郷を追われた人々、父権性社会の下で「声」を失った女性たち、帝国主義戦争で倒れた無名の兵士たち。彼らは自らについて語ることができない「物」として生きた。ジョイスが二十歳そこそこで捨てた故郷アイルランドは、そのような人々の声なき声に満ちていたのである。モダニズムの代表作を精緻に読み解く気鋭の論考。

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    収録内容

    1 序章 物語から物・語りへ
    2 第1章 語りの形式と語り手
    3 第2章 スティーヴン-永遠の「息子」と語りの欠落
    4 第3章 ブルーム-寝取られヒーローと語りの予弁法
    5 第4章 ゴースト・ナレーション-「ハデス」
    6 第5章 「作者の死」と揶揄する語り手-「スキュレとカリュブディス」
    7 第6章 断片化とマイナーキャラクターの声-「さまよえる岩」
    8 第7章 オノマトペと語る「物」たち-「セイレン」
    9 第8章 処女のストッキングとしての語り-「ナウシカア」
    10 第9章 「客観的語り」の主観性について-「イタケ」
    11 第10章 モリー-語りのトリニティー
    12 終章 「物・語り」の世界

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