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商品説明
本書は、後進の育成において数多くの事例に対峙してきた著者の、それらのセラピーの行く末を見据えたコメントを集成した第一部と、実際の著者によるスーパーヴィジョンの逐語録である第二部からなる。セラピーの本質やセラピストが本当になすべきことをまとめたもので、臨床実践の真髄というべき一書である。事例検討コメントには、事例提供者がまとめたケース短報も付され、セラピーのプロセスやケースの見立てなどについて吟味できるようになっている。クライエントのことを常に念頭においたコメントは、時に厳しいものもあるが、セラピーに対する誠実さに溢れ、詳細に論じられているので、初学者にもわかりやすい。また、第二部では、なかなか活字になることがない、本物の、二時間にわたるスーパーヴィジョンを、二人のコメントやため息までも余すことなく再現した。
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収録内容
1 | 序論 「事例検討」と「スーパーヴィジョン」 |
2 | 第1部 事例検討篇(自閉症治療に必要なこと |
3 | 子どもの心理療法における基本的態度 |
4 | 一喘息児の呈した学校適応異常の改善と治療者の専門性 |
5 | 落差の背後に見つけたもの |
6 | 前思春期の少女の心の発展過程 |
7 | 「超越」の世界との関わりと、子どもの自我の成長のすばらしさについて |
8 | 治療者交代がプラスに働いた事例 |
9 | 胎内空間とプシュケー神話幻想 |
10 | 「しんどさ」の背後にあるもの |
11 | 尽力的態度と真の心理臨床のコア的態度の違いについて |
12 | 心理療法における心と身体の関与についての若干のコメント |
13 | 「症状」の意味への問い |
14 | 竜と焚き火の絵をめぐって |
15 | 心理療法過程における「自己」変容時に留意すべきことについて |
16 | こまやかな配慮とやさしいまなざし |
17 | 競馬に託された願いと思い |
18 | 双極性のうつを呈した事例をめぐって-木村敏教授との対論 |
19 | 対象喪失をめぐる布置 |
20 | 「慢性アルコール依存症Nさん」の事例に |
21 | 遺糞症とてんかんが疑われる患児 |
22 | 砂漠の中のロプノール湖 |
23 | 治療者の感性と客観性 |
24 | 欠ける臨床の問題点 |
25 | 器質性障害の内実への問い |
26 | 適切な受け皿となった治療者と多次元表現療法の治療的意味について |
27 | 「未来の医療」の先取り-片足を医学、客観的世界に、片足を心理臨床のコア、たましいの世界においた治療 |
28 | サイコ・ネフロロジー・カンファレンス |
29 | エッセイ コメントについて思うこと) |
30 | 第2部 スーパーヴィジョン(極めて落ち着きのない小学生への遊戯療法終結後に受けたスーパーヴィジョンの逐語記録) |