商品説明
後悔せずに生きるには、毎日をどう過ごせばよいか。「思索する読書人」兼好が自由な心で書き綴った珠玉の随筆。独創的な断章スタイルは精神の運動を活発にさせ、生きられる時間の短さに警鐘を打ち鳴らす記述と、柔軟でユーモアに富む記述とを自在に往還する。明晰な言語感覚と、全方位に開かれた視界。この世の全てを相対化し、虚無の陥穽から身を翻す兼好。そこから新しい『徒然草』の顔が見えてくる。振舞いと心遺いが文化の本質であり、いまを生きる喜びこそが虚無をも越える最良の手段なのだ。混迷する現代にあって、大人ゆえにいま味わえる人生の達人の文学を、流麗な訳文と新校訂原文で構成。
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収録内容
1 | 徒然なるままに |
2 | いでや、この世に |
3 | 古の聖の御代の |
4 | 万にいみじくとも |
5 | 後の世の事、心に忘れず |
6 | 不幸に、愁へに沈める人 |
7 | 我が身のやんごと |
8 | 化野の露、消ゆる時無く |
9 | 世の人の心惑はす事 |
10 | 女は、髪のめでたからん〔ほか〕 |