著者・出版社・関連アーティスト
商品説明
一周早いほどの差をつけて駆け続けたが、最終コーナーでいきなりトラックの外に押しやられた長距離走者のような目にあって、田沼意次は七〇年の無念の生涯を閉じた。しかし、一代で田沼家を大名家に引き上げ、転落はしたが子孫が大名家として持続し、明治の貴族に列したのは、意次のおかげである。みずからを語ったわずかな史料のていねいな読み込みと、社会情況の遠望を組み合わせて、田沼意次とその時代をどう見ればよいかを論じてみたい。
関連記事
収録内容
1 | 田沼時代という呼び方 |
2 | 1 田沼意次の降魔祈祷(「人格的範疇」について |
3 | 天明7年5月15日の降魔願文 ほか) |
4 | 2 江戸城政治家の転身決意(重陽の節句の家中教諭 |
5 | 近世大名であることの要件 ほか) |
6 | 3 大名田沼家の家法作成(家法の作成と全文 |
7 | 築城までの栄達 ほか) |
8 | 4 田沼時代と近世の商業革命(研究史の宝暦~天明期像 |
9 | 商業革命の田沼時代 ほか) |