たいてい密教の本というと、遍路とか曼荼羅とか瞑想とか大日経などのある特定のテーマについてのみ書かれているものが多いが、この本は密教思想について横断的にまとめてくれているのが非常によい。そもそも仏教と密教は何がどう違うのかという点も、これを読むとわかる。慈雲尊者にまつわる話や草木国土悉皆成仏の日本における語源についても出ていて、おおいに参考になった。ちょっと自分には書けない文章だという意味で評価して採点。
著者・出版社・関連アーティスト
商品説明
弘法大師空海をもっと深く知りたい人のための待望の一冊。平安時代に空海に由縁があった者の末裔が、千二百年の星霜を経て高野山大学大学院で履修した密教学のノート。多岐にわたる空海思想関連テーマの根幹を、無駄なく簡潔に整理し、課題レポートの模範答案例の形で提示する。
関連記事
収録内容
1 | 密教学概論 |
2 | 密教史概説 |
3 | 弘法大師伝 |
4 | 密教の典籍 |
5 | 空海の思想と真言密教の特色 |
6 | 真言教学の諸問題 |
7 | 空海の『辯顕密二教論』 |
8 | 空海の『般若心経秘鍵』 |
9 | 空海の『即身成仏義』 |
10 | 空海の『三教指帰』 |
11 | 仏教要論 |
12 | 小論文試験 |