商品説明
第二次大戦の敗戦に至るまで、日本にはキリスト教的な「人格」概念は知られていなかった。戦後、日本国憲法の制定により初めて導入された「人権」理念とそれを支える「人格」概念は、日本人の内面まで本当に浸透したのだろうか。日本における「人間」理解と自覚をめぐり、キリスト教的真理の弁証の道としての人間学を論じる。
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収録内容
1 | 「地の基ふるい動く」ただ中から-序にかえて |
2 | 第1部 序論 この時代の内面にある「人間」の問題(われわれの時代、われわれの国 |
3 | 弁証学のための「言葉」の獲得(1)原爆体験から発出した言葉-永井隆 |
4 | 弁証学のための「言葉」の獲得(2)キリスト教の哲学的弁証-田辺元) |
5 | 第2部 新しい弁証学への道「人格」理念の明証(明治維新と日本近代化の問題 |
6 | 「神々の死」と「天皇の人間宣言」のもたらした「たましい」の問題-折口信夫の『神やぶれたまふ』の歌、そして三島由紀夫の『英霊の声』 |
7 | 古代教会の弁証学-それによって死ぬことも生きることもできた思想 |
8 | アウグスティヌス弁証学としての人間学の古代的モデル-"deus et anima"(「神とアニマ=たましい」) |
9 | 現代状況への立ち還り-第一次世界大戦後から第二次世界大戦へ |
10 | 日本における人間学の問題-和辻哲郎の「人間学」 |
11 | 戦後日本における人格的共同体形成への問い |
12 | 弁証学としての人間学 総括) |