サーリアホ: 歌曲集「4つの瞬間」 他

ヘルシンキ出身の女性作曲家、カイヤ・サーリアホの最近10年間に書かれた3つの作品集。歌曲集「4つの瞬間」と「エミリー」はオーケストラ伴奏版の声楽曲で、ソプラノ歌手カレン・ブルチによって歌われている。「4つの瞬間」はフランスの作家アミン・マアルーフの詩が用いられた劇的な作品で、2003年に名歌手カリタ・マッティラにより初演され、彼女に捧げられている。サーリアホの代表作の一つでもあり、歌うためには高い技術と表現力が求められる作品。組曲「エミリー」はサーリアホの同名のモノドラマから取られた組曲で、もともとの作品は大野和士が世界初演したことで知られる。こちらも劇的な内容を緊張感に満ちた音楽が彩っている。「大地のメモリー」はエマーソン弦楽四重奏団の委嘱作品を弦楽合奏版にしたもの。カレン・ブルチの精緻な歌唱とストラスブール・フィルの緊密な演奏は、作品に新しい命を吹き込む。