L'Amour Est Blue (恋は水色)

時を超えて支持されてきた名曲には感動を与え続ける力がある。様々なユニットでそんな音楽を「今」の私たちに聴かせてくれるピアニスト遠藤律子が今回選んだユニットがピアノトリオ。ジャズユニットの中で最も人気のスタイルであり、かつ、ピアノが最も引き立つ編成と言える。ヴァーサタイルな名曲×ピアノトリオというコンセプトから生まれた今作にはクラシックが多く選ばれたが「時を超える力」という点ではこれに勝るものはない。そこに肩を並べたのはポール・モーリアの演奏で世界的な大ヒットとなったあの「L'Amour Est Bleu (恋は水色)」である。はじめはヨーロッパで、ユーロビジョン・ソング・コンテスト1967においてヴィッキーの歌唱で発表され4位に入賞。 翌年にはポール・モーリア編曲のインストゥルメンタルバージョンがヒットチャート5週連続1位を獲得するなど爆発的にヒットし、数多くのアーティストによってカバーされ、60年代～70年代に突出した頻度で各メディアで流れた曲であり、また現在でもイージーリスニング音楽やBGMの定番のひとつとして、世界中の多くの人々に親しまれている文字通りの名曲。そんな訳で今回タイトル・チューンともなった。そこにロシア民謡やフォークダンスの名曲「オクラホマ・ミキサー～マイムマイム」が続く。オクラホマは意外だが某CMの影響もあって今も老若男女に知れ渡るポピュラー・ソングである。アレンジは、ジャズ・ボッサ、ラテン、サンバ・ファンク、ジャズ・ワルツ、カリプソなど原曲のスタイルを留めつつ、時に哀愁あり、また、時に清涼感や躍動感ありと新鮮なイメージにリボーンさせる粋なアイデアに溢れている。 デジパック。