ブルックナー: 交響曲第3番

パーヴォ・ヤルヴィとフランクフルト放送響とのブルックナー・チクルス第8弾は、初期の創作活動を締めくくる傑作・第3番。作曲当初は敬愛するワーグナーに捧げられたため、「ワルキューレ」や「トリスタン」からの引用も含まれる長大な作品だったが、改訂を繰り返したため、第2番と並び複雑な稿態が残されている。ヤルヴィは、現在最も一般的に演奏される、ブルックナーが交響曲第8番第1稿を完成させた後に着手した1889年の第3稿を用いている。ヤルヴィはこの交響曲をフランクフルトでのチクルスの最初に演奏・録音していたが、演奏に満足せず、再度取り上げた際にライヴ録音されたもの。