ブラームス: 交響曲全集

交響曲・序曲・協奏曲全曲を網羅するベートーヴェン・プロジェクトでスタートし、「R.シュトラウス管弦楽曲全集」「シューマン交曲全集」「マーラー交響曲全集」を経て、75歳になったジンマンがついにロマン派音楽の端緒を切ったシューベルトと、ロマン派音楽の到達点であるブラームスという、2人の作曲家の全曲録音プロジェクトに着手する。「ブラームス交響曲全集」は、2010年4月に行なわれた2日間の演奏会で4曲が一気にライヴ収録されたもの。ブラームスは、ジンマンの師でフランスの名指揮者ピエール・モントゥーの十八番であり、このジンマン＋チューリヒ・トーンハレの演奏でも、その正統的な解釈が受け継がれている。指示されたリピートを全て遵守しつつ、過剰な表情付けはおこなわず、あくまでも作品そのものに語らせるという姿勢はまさにモントゥーそのもの。それによって、ブラームスの凝った和声の移り変わりや、内声の動きがより鮮烈に表現され、擬古典主義ともいえる外観に隠された作品の革新性が浮き彫りになっている。録音: 2010年4月14、15日 チューリヒ、トーンハレでのライヴ・レコーディング 来日記念盤。