グールド・プレイズ・スクリアビン&シベリウス [2012年ニュー・リミックス&アコースティック・オーケストレーション版] [Blu-spec CD +CD-ROM]

グレン・グールド生誕80年・没後30年アニヴァーサリー・リリース。1970年代初頭、グールドは、一つの音楽作品の録音に際して、その瞬間の響きにふさわしい独自のミキシングを行うべきだというコンセプトのもとに実験的な録音を試みる。4組のマイクロフォンをさまざまな位置に配置し、8トラックのマルチ・レコーダーで収録して、編集段階でミキシングを細かくコントロールし作品にふさわしい響きにする「アコースティック・オーケストレーション」と称すべきこの試みは、グールドの録音テクノロジー観の先進性を示すもので、このアルバムは、グールドがそうした独自の試みを行った作品を、一部新しいリミックス版によって収録したもの。1970年に8トラックでマルチ収録されながら生前には未発表に終わったスクリアビンのピアノ・ソナタ第5番は、没後の86年に発売された際にはグールドの意図したであろうミキシングではなかった。今回、カナダ・カールトン大学のポール・テベルジュ博士によって新しくリミックスされ、グールド独自の構想が初めて再現される。カップリングは、76年～77年にかけて同じ手法で録音されたシベリウスの作品集(グールド自身のミキシング)。DISC2(CD-ROM)は、スクリアビンのピアノ・ソナタ第5番の録音素材の音声ファイルを収録予定。