ラヴェル管弦楽曲録音集成

[タワー・レコード "Sony Classical" スペシャル・セレクション第10期] 熱狂とエギゾチズムの裡に潜むセンシュアリズムを表出するバーンスタインのラヴェル。バーンスタインがニューヨーク・フィルおよびフランス国立管弦楽団と、1958年から1975年にかけて残したラヴェルのオーケストラ曲の録音をCD3枚に網羅(協奏的作品は除く)。「ラ・ヴァルス」は3種、「ボレロ」「道化師の朝の歌」「スペイン狂詩曲」は2種の録音が収録されており、オーケストラの響きの特徴や録音会場による録音の差異を楽しむことができる。NYPとの録音は、後任のブーレーズの演奏のクールな感触とは異なり、オーケストラの持つ輝かしい音色と機能性を極限まで生かしたダイナミックで熱狂的な解釈が特徴。フランス国立管との演奏は、1975年9月の映像収録と並行して録音されたもので、70年代のバーンスタインの円熟味が加わっている。いずれもラヴェルの精緻なオーケストレーションを再現しつつ、作品に内包する官能美を見事に表出した名演ぞろいである。マリリン・ホーンおよびフランス国立管との「シェエラザード」を特別収録。 ■録音年: 1975年10月1日、9月17日 / 収録場所: パリ、ラジオ・フランス103スタジオ、ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ