ファイト: 弦楽四重奏曲全集 第1集

オーストリア領、レプニッツで生まれチェコで活躍した作曲家ヴェンツェル・ハインリヒ・ファイト (1806-1864)の作品集。幼い頃から音楽を学びたかったファイトだが、中学卒業時に両親を失い、音楽教師に支払うお金もなかったため、音楽は独学で勉強。プラハで哲学と法律を学び、22歳で卒業した時に弁護士になるか音楽家になるか躊躇った彼は、結局プラハの市役所で働く決断をする。しかし音楽も続け、交響曲、ヴァイオリン協奏曲、歌曲などを作曲。それらはすっかり忘れられてしまったが、4曲残された弦楽四重奏曲には、ベートーヴェンからドヴォルザークに至るチェコにおける初期ロマン派音楽の変遷を聴くことができる。ケルテス四重奏団による2016年録音。