梅きゅう さんのレビュー
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ウーマンライ「願いのうた」が詰まったレコード
何かを愛する喜びというのは、その何かを失う悲しみも否応なしに伴ってしまう。この瞬間が永遠に続けばいいのに。このレコードに詰まっているのは、そんな「愛」と「官能」の狭間で揺れる「願い」を託した歌たち。男だって、顔をくしゃくしゃにして泣きたい時もある。
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ドゥ・ハリウッドザ・レモン・ツイッグス世界は驚きで満ちている
世界は驚きで満ちている?まるで、広告屋の安いコピーだ。しかし、レモン・ツイッグスを聴いていると、そんな言葉の一つもつい口をついくてる。レモン・ツイッグスが織りなす楽曲の、ある種ハッタリめいたとも言えるギミックの数々は、彼らの若さに担保されている。まだ自分が何者でもなく、何者にでもなれるという若さ故の根拠の無い確信。きっと彼らの目には世界は驚きで満ちて映っている。しかし、いずれ彼らも歳を取る。そしてそれは、僕らも同じ。つまりあれだ、彼らが「本物かどうか」なんて野暮なことは時間が証明してくれる。今は、ただそのハッタリに驚かされていればいい。だって、ハッタリなんてのは、世界が驚きに満ちていればいるほど、有効に効く手段なのだから。
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生駒里奈の『推しどこ?』乃木坂46君の名は希望
これに収録されている選抜総選挙の回を観て、この先何があっても、自分は生駒里奈の味方でいようと思った。泣いている姿は見せたくないため、必死に堪えるけれど、それでも頬を伝ってしまう涙。これほど貴い涙があるだろうか。これほど気高い心があるだろうか。願わくば、この淀みの無い、どこまでも澄み切った瞳が、この先どうか翳ってしまわぬよう。
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パラダイスホワイト・ラング慰めはいらないから
聴くものに異様な覚醒感を促すギターの音、怒涛の如く繰り出されるコード・ストローク。パンクとも、メタルともつかない、ジャンルの境界も曖昧にする、その特異なサウンド、ギターワークに負けず、ナイフのように鋭利なリリックのヴォーカルが、ガチンコでぶつかりせめぎ合い、全10曲が息をもつかせぬままに駆け抜けていく。前作の成功から逃げずに、真正面からソングライティングを向上させているのがたくましい。「ギターで誰よりかっこいいことしてやる」、その価値が正義であることを、自らで体現してみせる、その姿がまさにロックンロール。慰めのためのギター・ロックほど惨めなものは無いということを彼らは教えてくれる。
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ゲット・ハート [輸入盤]ザ・ガスライト・アンセムこれぞ、アメリカン・オルタナ。
2015年に解散した、彼らの最後の作品。あまりメディアの評価は高くないけれど、最高にかっこいいアメリカン・ロック・アルバムだと思う。解散が残念でならない。
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オアシス 20周年記念デラックス・エディション [完全生産限定盤]オアシスやっぱ「Whatever」良いよね。
もちろん、アルバム本作も良いですけれど、やはり、B面曲が素晴らしいですね。これらのリマスターを聴くだけでも買う価値あります。
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ラヴ・ミー・オア・リーヴ・ミーリタ・ホビンクリタ・ホビンクの代表作
良質な曲が並ぶ、ヴォーカル・ジャズ・アルバム。リマスターも良好。特にビートルズのカヴァーは秀逸。
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パーパス [通常盤]ジャスティン・ビーバー面目躍如
音楽メディアからも評価が高いけど、実際、会心作だと思う。前作までの、ベタなR&B/ヒップホップ路線からは脱却し、ハウスの要素も取り入れるなど、とても洗練されたポップ・アルバムになっている。M1~5までの流れなんて最高に気持ちいい。
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モックルートティグラン・ハマシアンジャズではないかもしれないが・・
様々な音楽が折衷された、荘厳な世界が広がっており、素晴らしいです。ジャズの枠に収まらない作品。
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チャック・ベリー・イズ・オン・トップ +11 [生産限定盤]チャック・ベリーロックンロールの原点
ほとんどベスト盤と言っていいほど、名曲たちが並ぶ3rdアルバム。1000円の廉価版ですが、音質は悪くないです。ロックンロールの原点を確認する意味でも、手元に置いておいて損はないでしょう!
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トゥービー・ラブド ニュー・エディションマイケル・ブーブレ素晴らしい音質
曲も歌い方も、ベッタベタですが、それでこそブーブレ。どの曲もポップで聴きやすく、何より音が素晴らしい。ブーブレの音に対するこだわりを感じますね。安心のクォリティです。
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ディープ・ファンタジー [輸入盤]ホワイト・ラングパンク・メタル
パンクと、よく言われるけど、まごうことなきメタルだと思う。それも、最高にかっこいいメタル。これこそメタルと言える。アイアンメイデンやモーターヘッドが好きな人にこそ、聴いてほしい。
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オディレイ [SHM-CD]ベック意味がないことに、意味なんてない
正直、よくわかんないレコード。初めて聴いてから、何年も経つけど、未だによくわかんない。変な奴が、なんか変な音楽を鳴らしてるのを、ただ外からぼーっと眺めてるような感じ。一切の共感さえも許されない、孤高の音楽。
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Leave Me AloneHinds2016年の音
鳴ってる音は、ローファイで、サウダージ成分を多めに含んだ、何の変哲もないガレージロック。自分たちのバックボーンを隠そうともしない明け透けぶり。実にユルユルだが、しかし、そのアティトゥードは明確。彼女たちは、男の屈折した自意識や実存に付き合わすことはしない。飽くまで、まるで化粧をするように、そのローファイなサウンドで「今、この瞬間が最高」なのだと、宣言してみせる。そして、これこそが2016年のロックンロールなのだ。
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ビーコン [通常盤]
トゥー・ドア・シネマ・クラブビーコン [通常盤]トゥー・ドア・シネマ・クラブスケールupとは、こういうことまるで、既にデビューの時から、逆算して考えて創られていたんじゃないかと思うくらい、絵に描いたように、1stからのスケールupを遂げたアルバム。1stが好きなら、きっと気にいるでしょう!
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ベンチュラジャマイカフレンチポップ meets AOR
前作は、敢えて音圧を高くし、ギターをギャンギャンに歪ませることで、既存のギターロックとは違う方法で、躍らせることを試みたアルバムだったけれど、それと比べて、今作はとてもオーガニックな音になっていて、米西海岸の陽気さと、フレンチポップのお洒落さが見事に合わさったようなポップソングが並ぶ。アルバム全体を通して安心して聴けるぐらい、楽曲は粒揃い。
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噛むとフニャン feat.Astro [通常盤]佐々木希可愛いは正義
これはプロデュースの勝利だと思う。佐々木希の歌唱力を、この脱力的な世界観の構築に寄与させているのが素晴らしい。そして、この世界観が、佐々木希の圧倒的なルックスによってのみ成立するということも、分かった上での確信犯。Perfumeほどカッチリしてなくて、フリーキーに楽しめるのが最高。今でも全然通用する曲。
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君の名は希望 [CD+DVD/Type-A]乃木坂46原曲が聴いてみたい
「君の名は希望の轍」と言ってしまいたくなるけど、たぶん、多少は意識してると思う。それはともかく、この曲は元々16だったのを、8に軌道修正したらしく、なんとか四つ打ちビートに乗せようとする、その試行錯誤がみてとれる。そしてそれが、功を奏して、素晴らしい曲へと成立させているのが凄い。特にパーカッションは秀逸だと思う。杉山勝彦という人はリズム感が抜群なんだろう。ライブでは、生田絵梨花のピアノと共に、16から8にした曲を、また16にして演奏するという本末転倒な現象が起きているけど、この曲はパーカッションが肝なので、あまり意味が感じられない。
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カレンツテーム・インパラ現代のブルーズ
アニマル・コレクティヴがフォークの文脈で語られていたように、このアルバムは、現代的なブルーズのように感じた。煌びやかなポップではあるけれど、同時に、とても抑制的で、哀しみを湛えた音。眩いばかりに逞しいレコードだ。
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LOVE&WIFE&PEACE [DVD付初回限定盤]清竜人25楽しいね
これはもうギリギリ、スレスレ。豪快な力業で成立させている感じ。まあ、そのギリギリな綱渡りが楽しくて、このグループを聴いているんだけど。値が張るだけあって、特典のDVDはヴォリューム満点の内容です。