ストローブスは60年代から活動するフォークロック(あるいはプログレ)バンド。リック・ウェイクマンや元ルネッサンスのジョン・ホークンが在籍した事でも知られる。

英国トラディショナル・フォークをベースにポップス/ロック、クラシックを融合させたサウンド、美しく憂いがあり時には牧歌的でさえある英国的なメロディとハーモニーがバンドの特徴である。

1964年、デイブ・カズンズを中心に3人組のフォーク・グループとしてスタート。後にフェアポート・コンベンションに加入するサンディ・デニーと活動を共にしたこともある。英国トラッドフォークを基調としアメリカのカントリーも意識したフォークミュージックを演奏するグループだった。

やがてエレクトリック楽器を取り入れロックに接近。リック・ウェイクマンが参加するとクラシカルでシンフォニックな面も追加されプログレ色が強まる。エレクトリックなロックバンドになってもトラッド・フォークの精神は貫かれている。メンバーチェンジを繰り返しながらも質の高い作品を発表し続けた。1975年4月には日本公演も実現。

何度かの活動休止期間を経て現在も歴代のメンバーが入れ替わり参加しライブや新作のリリースを行っている。リック・ウェイクマンの二人の息子、オリバーとアダムの参加も話題になった。

一枚だけ選ぶとしたら・・・

1972年発表の6作目「バースティング・アット・ザ・シームス」。

新加入のデイブ・ランバートのシャープなギターがバンドのダイナミックレンジを拡大し、リックの後任として前作から参加した鍵盤奏者のブルー・ウィーヴァーは派手なソロは少ないがドラマチックでファンタジックなプレイで貢献している。デイヴ・カズンズのジェントルな歌声とアコースティック・ギターが加わり唯一無二のストローブス流ロックミュージックが完成した。アルバムは全英2位、シングルカットされた2曲はそれぞれ全英2位12位とキャリア史上最大のヒット。A&M時代の最高傑作と言えるだろう。

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