Robert Wyatt

ブリティッシュロックの伝説的バンド、ソフトマシーンのドラマー&ヴォーカリストとしてデビュー。ジャズとアバンギャルドとサイケポップが同居した1968年リリースのファーストアルバムは独特の緊張感とユーモアを備え、現代から見ても奇跡の作品と言わざるを得ません。
やがてバンドと自分の音楽性が次第に距離ができ、4枚目のアルバムを最後に脱退、自己のグループ、マッチン・モウルを結成し自分の音楽を追及し、1972年に2枚のアルバムを発表します。

その後、3枚目の曲作りが進んでいる最中のパーティで5階から転落、重症を負い、その後遺症で下半身不随になってしまいドラマー生命は絶たれてしまいます。
仲間のミュージシャンの支えもあり、1974年ソロ・アルバム「ロックボトム」でシンガーソングライター/鍵盤奏者として奇跡的にカムバック。以後、マイペースな活動を続けていきます。

水彩画のように美しく繊細で優しく、なおかつ前衛、フリージャズをも内包したワイアットの音楽は唯一無二な存在です。印象的な歌声は「世界一悲しい声」と呼ばれ、世界中の大勢の音楽ファンに愛され、ミュージシャン達からは尊敬と賞賛を受けています。もしかしたらそのユニークな音楽性はソフトマシーン結成時と変わっていないのかもしれません。
他のミュージシャンのカバーも多く行っていて、スタンダードジャズからダンスバンドChicのナンバーまで幅広い層の曲を彼のスタイルで歌っています。音楽家との交流も盛んに行っていて、坂本龍一、ビョークなど多くのミュージシャンと共演しています。才能だけでなく人柄からもリスペクトされているんでしょうね。Disc2にはそんなコラボレーション作品から厳選された楽曲が収録されています。
残念ながら今回は選ばれていませんが、ベン・ワットと共演した「Summer into Winter」も個人的には大好きです。

「ディファレント・エヴリ・タイム」はソフトマシン、マッチングモウル時代の楽曲も含まれた、まさにオールタイムベストです。ロバートワイアットの音楽を俯瞰して楽しむのにうってつけです。

※2014年10月30日追記
ロバート・ワイアットは今後新たな音楽活動は行なわないと発表しました。

2枚組ベスト盤 Different Every Time

同時発売の旧作8作品

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