はなとゆめ/冲方丁
『枕草子』の作者・清少納言の生涯を描いた歴史小説。歴史小説といっても堅苦しいことはない。当時の清少納言の活躍や心情が豊かに描かれ、なぜ『枕草子』を書いたのかが紐解かれていく、平安の「キャリアウーマン」の焦がれが切ない。
姫(キミ)のためなら死ねる/くずしろ
中宮・定子を溺愛する清少納言のドタバタが楽しいコミック。歴史的に正しいかどうか超訳なのか、そんな細けぇことは良いんだよっとばかりの宮中である。
当時は政治的に割と殺伐としてたはずんだがなー、こんなに日々楽しかったのかー。
定子さまカワイイ。
枕草子 上下/酒井順子・訳
日本を代表する随筆文学だが、OLが日々のことを英知とユーモアで描き、ファンを喜ばせたインフルエンサーの、現代で言えば「ブログ」のようなものだ。ただし、清少納言自身はひたすら中宮・定子の世界が、如何に色彩豊かで平和だったか、ということ伝えたかったのであるが。
新編本日もいとをかし!!枕草子/小迎裕美子
著者が清少納言にシンパシーを感じた部分を中心に漫画化したとのことなのでかなり偏っているが、枕草子自体が実のところ偏ってる(中宮・定子の不幸だった部分は描かれない)ので、なにをか況やである。だが、それがいい。清少納言と紫式部 和漢混淆の時代の宮の女/丸山裕美子
ところで当時の平安貴族の生活は?というお話。実のところ清少納言と紫式部は微妙に出仕している時期が異なり――清少納言の方が先で既に名声を得ていたので、紫式部にとっては目の上のたんこぶだった。
文学者としても政治的にしても。