昭和レトロブーム

最近、Z世代の若者の間で昭和レトロブームが起こっているようです。レコードブームに始まり、ファッションや純喫茶に若者が列を作るなど、昭和の名残を感じるものに注目が集まっています。

このような流行の背景には、SNSなどの発展により、過去のものへのアクセスが容易になったこと、また現代のデジタルやシステム的なものに疲れたり、知らないはずのものなのに、どこか懐かしいノスタルジックを想起させ、懐かしさを感じるなど、さまざまな理由があるようです。

「良いものはいつまでも残る!」ということが当てはまるのかもしれません。

このブームの中で、昭和に活躍したアイドルやシンガーが注目を集めていますが、今回は彼らが残した映画を振り返っていきましょう!

 

ねらわれた学園(1981)

監督大林宣彦 主演薬師丸ひろ子

アイドル映画の先駆けであり、金字塔として知られる名作学園SFサスペンス映画があります。

この映画は薬師丸ひろ子が主演を務め、アイドルとしてトップの地位を確立しました。監督は映像の魔術師として知られる大林宣彦が担当し、彼の世界観が存分に発揮され、現在でも魅力的なシーンが多く詰められています。
特に、超能力の演出や間に挟まれた派手なダンスシーンなど、少しアバンギャルドに思える演出も、むしろ今どき!?に思えます!

主題歌は松任谷由実の「守ってあげたい」

すかんぴんウォーク(1984)

監督大森一樹 主演吉川晃司

80年代を象徴する青春群像の名作!
デビュー直後の吉川晃司と「風の歌を聴け」で知られる大森一樹がタッグを組んだ作品です。脚本は探偵物語などを担当した丸山昇一が務め、その気合の入り方が伝わってくるキャスティングです!
吉川晃司というスターを世間に知らしめる作品となっており、田舎の広島から飛び出し芸能界でスターダムへ駆け上がる吉川晃司のキャリアが、彼が演じる主人公高校生・民川裕司とリンクしており強くリアリティを思わせます。

他にも、友達のの吉夫(山田辰夫)や売れない女優の亜美(鹿取容子)の苦悩や葛藤も描かれ、青春時代を思い出させるような辛くも甘酸っぱい名作となっています。

主題歌は吉川晃司の「モニカ」

なお、本作の主人公・民川裕司(吉川晃司)が出演する「ユーガッタチャンス」「テイクイットイージー」といった続編も存在し、ぜひとも観てみてください!

時をかける少女(1983)

監督大林宣彦 主演原田知世

こちらもアイドル映画のスタンダード作品です!
原田知世が初めて主演を務め、一躍スターダムに上り詰めました。
細田守によるアニメ映画版も近年大ヒットし、普遍的な魅力が詰まった文句なしの名作映画です。
物語では、タイムトラベルの能力を持った少女が、切なくも淡い恋愛を通して成長していく姿が描かれます。

主題歌は原田知世が歌い、作詞作曲は松任谷由実の「時をかける少女」
劇中の音楽監督は、ユーミンの旦那様で知られる松任谷正隆が担当しています!

パンツの穴(1984)

監督 鈴木則文 主演 菊池桃子

お待たせしました(笑)。昭和アイドル映画を代表する迷作がここで登場です!
主演は、現在のCITYPOPブームでも再注目されている80年代トップアイドルの菊池桃子で、彼女のデビュー作でもあります。また、俳優の山本陽一も桃ちゃんと同じくスターダムへ押し上げた一本です。

内容は、正統派アイドルの菊池桃子のイメージとは全く異なるストレートな下ネタ映画(笑)。タイトルや内容が卑猥すぎたため、題名を「青春の日々」として台本のタイトルにも書かれていたという、楽しい裏話もあります!昭和っていい時代だったなぁと感じる、リビドー炸裂な作品です(笑)

サウンドトラックは、こちらもCITYPOPブームで再評価が高まっている惣領泰則が担当。
彼はフュージョンやAORなどの感覚を上手に日本テイストに落とし込んだ名プレイヤーです。

また、菊池桃子の音楽活動も同時に注目を集めており、特にラムーのレコード盤は中古市場でも高値で取引されているそうです。もしもお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひ押し入れを探してみてください!

スケバン刑事 3部作一挙見Blu-ray (1985~1987)

監督田中秀夫 主演斉藤由貴、南野陽子、浅香唯

斉藤由貴、南野陽子、浅香唯という美しいアイドルが主演した大ヒットTVシリーズ、『スケバン刑事』。初代、2代目、3代目のシリーズから名作回をセレクトした全33話を収録したお得な一本です!
この伝説的なドラマは、3人の主演女優をスターへと押し上げました。
セーラー服やヨーヨー、江戸っ子訛り、土佐弁、九州訛りなどアイコニックな要素がたっぷりで、忘れられない方も多いのではないでしょうか。

今なお色あせない不良作品の金字塔を、ぜひもう一度ご覧ください!

台風クラブ(1985)

監督相米慎二 キャスト 工藤夕貴、大西結花、三浦友和、三上祐一
監督は、「セーラー服と機関銃」などで知られる巨匠・相米慎二氏。

中学校のプールに忍び込んだ少女5人が度の過ぎた悪戯から男子生徒を溺水させてしまいます。翌朝のニュースで台風の接近に台風の接近と共に言いようのない感情の高ぶりを見せ、騒乱状態に陥り、どんどん狂ってゆく様が描かれた青春映画金字塔!

この映画での注目は、体当たりな演技が話題を呼んだ工藤夕貴。捉えどころのない少女を熱演し、実力派女優としてスターになりました!また、この作品がきっかけで、ジム・ジャームッシュ監督の目に留まり、1989年のカンヌ国際映画祭で最優秀芸術貢献賞を受賞した名作『ミステリー・トレイン』にキャスティングされました。こちらも青春映画の名作で、若者たちを描いた作品です。

また本作は、三浦友和さんが生々しくリアルな人間らしい教師を演じて、役者としての評価が高まった作品でもあります。

夏が来る前に、ぜひご覧ください!

ぼくらの七日間戦争(1998)

監督 菅原比呂志 出演 菊池健一郎、宮沢りえ

宮沢リエさんの女優デビュー作にして国産思春期映画名作!!
原作は現在でも小中学生の定番小説「ぼくらの」シリーズ第一作目です。

あらすじは、理不尽で横暴な教師と、拘束に縛られる中学校の一年生8名が、学校へ反旗を起こすため廃工事に立て籠もる。連れ出そうとする教師達を追い払い、最後は機動隊までも突入してくるが、アイデアと度胸で正面から対決をする少年たち。

この作品を最初に見た小中学時は共感や憧れを感じたかも知れませんが、大人になった今だと、また異なった感想になるのではないでしょうか。

まとめ


今でも色褪せない名作品が多く、昭和レトロブームがきているのも改めて納得のラインナップではなかったでしょうか?
懐かしい作品や、もう一度観たい映画を見つける手助けになれていたら幸いです!