2000~10年代 -カウンターとしてのポップ・ミュージック-
現在の日本の音楽シーンで「シティ・ポップ」という言葉が言われ始めたのは4~5年前からだろうか。70~80年代のシティ・ポップ・ムーブメントに対して「ネオ・シティ・ポップ」とも呼ばれることもある。
ただし「シティ・ポップ」には明確な定義があるわけではない。詳細な説明はここでは割愛させてもらうが、強いて言えば「ある種のムードをもった洗練されたポップ・ミュージック」であろうか。そう呼ばれているバンドの音楽性は様々だ。音楽ジャンルの名称とは違う物と考えた方がよさそうだ。
こうしたバンド達が現れたのはインディーポップ、シューゲイザー、チルウェイヴ、クラブミュージックがポップに向かう世界的なトレンドに連動している。そこにネオ・ソウル、ディスコ・ファンクといった流れも加わった。ポップスやソウルに自覚的になった彼らはさらに先人達の作品にも触れその源泉を探し求めた。
このムーブメントは、強欲にあらゆる音楽を飲み込んだ結果ポップスが少なくなってしまったメインストリームへのカウンターでもあり、熱いメッセージを叫ぶ縦ノリロックへのカウンターでもある。カウンターカルチャーはたいていアンダーグラウンドから生まれてくるものだ。
その音楽はメロディ、ハーモニー、リズムなどに拘り、楽曲そのものに重心を置いているように感じる。ポップスマナー、ソウルマナーを継承したエバーグリーンな旋律の陰に時折オルタナティブな精神が見え隠れしている。
先進的なクリエイターに作曲を依頼し洗練されたポップスをリリースし、ポップスシンガーとしての側面も評価されるようなアイドルも登場しはじめた。
もう既に「シティ・ポップ」という言葉は有効ではないのかもしれない。今現在もそんな枠に囚われない新しくわくわくする音楽が生まれている。2018年も面白くなりそうだ。
1990年代 -幸福な時代-
1990年代に「渋谷系」というワードが確かに存在した。それは雑誌やラジオパーソナリティには必要な言葉だったのかもしれない。そして「渋谷系」とは音楽だけではなく、その時代の空気感を表す言葉でもあった。
90年代にはいると過去の名盤、レア盤のリイッシューが一気に始まり、入手困難だった音楽が手に入りやすくなる。過去作品への再評価が高まるが、それはノスタルジックな懐古趣味ではない。時代の価値観・感覚にマッチしたものが評価された。いわゆる名盤だけではなく埋もれてしまっていた作品が多く含まれていた。ポップス、ソフト・ロック、アシッド・ジャズ、ソウル、ラウンジ、映画音楽、クラブなど様々なジャンル、スタイルが交錯し、新しい音楽も過去の音楽も並列に聴かれていた。
渋谷宇田川町には大手・独立系のレコードショップが数多く存在し世界中の音楽が集まった、その数はギネスに載るほどだった。クラブではDJ達がその研ぎ澄まされた感性により選び抜かれた音楽を毎夜プレイしていた。
音楽ファンはレコードショップ、フリーペーパー、クラブDJ、そして口コミから情報を知り、積極的に音楽を選び、自然と音楽リテラシーが高くなっていった。
優れたリスナーでもあったミュージシャンやDJ達はそうした音楽を吸収し再構築した作品を作り出し大きな人気を博した。それは今まで在りそうでなかった音楽ファンが長年聞きたかった音楽だ。ミュージシャンは表現者であると同時に音楽紹介者でもあった。
そうしてリスナー主体のミュージック・シーンが形成されていった。
「渋谷系」は音楽だけに限らず、ファッション、アート、映画、ライフスタイルにも影響し、時代を覆う大きなムーブメントになっていく。
そして全国に広がる。同時多発的に出現したと言った方がよいかもしれない。それは海外でも同じだった。同じ価値観・感覚の層が同時期に現れたのだろう。
1990年代、とりわけインターネット以前の最初の5年間は音楽にとって幸福な時代だったのかもしれない。
1970~80年代 -生活を豊かにする音楽-
70年代中期~80年代に「シティ・ポップ」が登場したとされているが、実際にはこの名称はあまり浸透していなかった。
70年代後半、人々、特に若者層の生活と音楽は密接なものであり、部屋にはなんらかのオーディオセットが必ずあった。
人々はロックでもフォークでも歌謡曲でもない日々の生活のサウンドトラックを求めはじめる。
一方で、ニュー・ソウル、60~70'sポップス、シンガーソングライター系の音楽に影響を受けた次世代の音楽家が登場しはじめた。
時代は「洗練」に向かっていた。世界的なAORやクロスオーバー/フュージョンのブームにリンクして日本のAOR=シティ・ポップは発展していった。
ソロシンガーの活躍が目立った。レコーディングには優秀なミュージシャンやアレンジャーが集められた。理想の音楽を実現するためには高い演奏力とセンスが必要なのだ。こうして高い音楽性をもった良質なポップスが次々と作られ大ヒットする。
この一連の流れはメジャーシーンで展開されていた。
これを歌謡界が放っておくわけがない。優れた作曲家でもあるこれらのシンガーに作曲を依頼し、レコーディングも同じ方法を取った。期せずしてアイドルファンは良質なポップスを聞くことになった。ポップスフリーク達も注目しはじめた。
「シティ・ポップ」だけが聴かれていたわけではない。他の音楽、ロック/ヘビーメタル、パンク/ニューウェイブ、ディスコ、歌謡曲などもそれぞれに盛り上がっており、リスナーは横断的に(海外の音楽も含めて)聞いていた。ポピュラー・ミュージック全体が活気付いていたのである。
この後「バンド・ブーム」がやってくる。
シティ・ポップ・セレクション
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2000~10年代
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