cliquer さんのレビュー
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生きる勇気 / 原書名:The courage to be (平凡社ライブラリー)
パウル・ティリッヒ 大木英夫生きる勇気 / 原書名:The courage to be (平凡社ライブラリー)パウル・ティリッヒ 大木英夫読むほどに味わいがある実存主義哲学をとおして、生の不安を無くそうとする試みが成功しているといえます。 自殺しそうになった女性が本書を読んで自殺を思いとどまったということからも窺えます。 実際は哲学で理論的に結論をだしているということだけでなく、著者の人間性の深さや楽観的なものの見方が根にあるのではないかと思います。 けっして読みやすい文章ではないですが、読むほどに味わいが出る本であり、人生の危機にたいする 確かな処方箋(それもよくあるスピリチュアルだったりへんにポジティブでわかりやすかったりというのとはおよそ無縁なところがいいです)となり得ます。
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幽霊島 平井呈一怪談翻訳集成 (文庫 Fン 10- 1)A・ブラックウッド/他著 平井呈一/訳雰囲気を愉しむもの
平井呈一訳の怪奇小説の短篇集を読んだことがあり、その訳の素晴らしさに驚嘆し、 他に訳された本を読みたいとかねてから思っていたところ、偶然このサイトで見つけ購入しました。 実はまだ半分にも至っていないのですが、ボリュームがあるのでうれしいですね。 イギリスの名作を名訳で読めるので愉しいです。 格調高く雰囲気だけでもゾクゾクします。 いわゆるはっきりとしたホラー映画の恐怖とは一線も二線も画す作品が多いと思います。 かといって『ねじの回転』のような心理主義とは異なります。 恐怖の対象のディテールは描写されていてもそこは印象主義の絵画のように強烈、意図的な不快さが ないので上質なミステリといったほうがよいかもしれません。 ブラックウッドものが好きだったので読めたことが幸いです。 明るくて陰惨なところがないので、翻訳ミステリが好きな人にはおススメです。
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ほのぼのと、切なさと、懐かしさと、ちあきなおみの "黄昏のビギン" はあなたの恋する勇気をサポートします。ちあきなおみ昭和歌謡の影の女王
凄く長いタイトルだと思い、なにやら昭和の大物にさらに光が照らされている空気感があったので、 歌謡性をあまり感じておらず、父が好きだったちあきなおみのCDを購入しました。 「黄昏のビギン」は知らない歌でしたが、圧倒されました。 永六輔の歌詞だったのですね。歌詞もいいですね。 歌が上手いということはこうしたことを云うのだろうと思います。 歌謡曲や演歌が全盛だったときにはまだ子供であったときの空気感を想い出し、 懐かしく、よい時代だったなと。 このタイトルは正解でしたね。意外にこの曲を知らない人が多いと思うので。 又恋に悩んでいる人は買うかもしれません。 こうした長いタイトルをつけるだけ、やはり販売元も自信があったのでしょう。 元々持ち歌だった水原弘の歌もYouTubeで聴いてみました。甲乙つけがたいですが、やはりちあきさんは 素晴らしいですね。復活してほしいというコメントをたくさん見ました。 子どもの頃はよくわからなかった日本の昭和の歌謡曲や演歌といったものが身に沁みてよい時間を過ごせます。
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モーツァルト: レクイエムカール・ベーム (指揮)/ウィーンフィルハーモニー管弦楽団魂の演奏
他店では入手しにくいだけでなく、こちらではお値段も安めでしたので、購入いたしました。 ベームによる迫真の演奏を聴くことができました。