人生の指南役、寅さん

GWこと、ゴールデンウイークが終わってしまいました。

連休明けは生活リズムの乱れ、学校や仕事モードへの切り替えがスムーズにいかない等、どうしても気分が乗らず憂鬱になりがち。

そんなときは、映画『男はつらいよ』の寅さん(渥美清)の名言で元気を出すのがおすすめ。酸いも甘いも噛み分けてきた寅さんの言葉の数々が、きっとあなたを奮い立たせてくれるハズです!

「困ったことがあったらな、風に向かって俺の名前を呼べ。」
(第43作 寅次郎の休日)


寅さん
おーい、寅さん、こっちこっち!

第44作『寅次郎の告白』

寂しさなんてのはなぁ、歩いているうちに風が吹き飛ばしてくれらぁ。


甥の満男(吉岡秀隆)と彼が思いを寄せる初恋の相手・泉(後藤久美子)を、寅さんが鳥取駅で見送るシーン。

母との折り合いが悪い泉に「お母ちゃんと仲良くな。女だから時々寂しくなることもあるんだよ。おまえ娘だから、そこんとこよくわかってやれよ。な」と諭す寅さんに、「おじさんは寂しくなることないの?」と返した泉に対する台詞。

寅さんらしい呆気らかんとした前向きな言葉ですが、寂しさのあまりふさぎ込むのではなく、一歩踏み出してしまえば何とかなるものさ、そんな気持ちにさせてくれるひと言です。

第27作『浪花の恋の寅次郎』

そら、今は悲しいだろうけどさ、月日が経ちゃあ、どんどん忘れていくもんなんだよ。忘れるってのは、本当にいいことだなぁ。


ふみ(松坂慶子)の生き別れた弟が亡くなっていたことを知り、その恋人だった女性を思い「あの子可哀想やねえ」とつぶやいたふみに、寅さんから心に染み入る台詞が語られます。

忘れることって、本当に大事ですね。いつまでも気を揉んでクヨクヨしたって仕方ない、とっとと忘れて次に行こうぜと寅さんは勇気づけてくれます。わかっちゃいるんですけどね…。

悲しみのあまり仕事を抜け出し寅さんの泊まる新世界ホテルを訪ねてきた本シーン、ふみはこの後「うち泣きたい…、寅さん、泣いてもええ?」と寅さんに身を寄せます。

寅さんは「泣きな、いくらでも気のすむまで泣いたらいいんだよ」と優しくふみを受け止めます。しかしその直後、宿の主人(蘆屋雁之助)が部屋を訪ねてきてひと悶着が…。

第20作『寅次郎頑張れ!』

そりゃあ好きな女と添いとげられれば、こんな幸せはないけどさ、しかしそうはいかないのが世の中なんだよ。みんな我慢して暮らしてるんだから、男だって、女だって。


失恋したと思い込み落ち込んでいる、とらやの2階に下宿している好青年のワット君(中村雅俊)を心配する博(前田吟)に、寅さんが投げかけたひと言。

まさに恋愛において酸いも甘いも噛み分けきた、寅さんならではの台詞じゃないでしょうか。

この台詞と入れ替わるように、ワット君はあろうことか自分の部屋でガス自殺を企てタバコに火をつけた途端、とらやの2階を爆発させてしまうという、シリーズ屈指の衝撃的なシーンへと繋がっていきます。

第39作『寅次郎物語』

満男「おじさん、人間てさ、人間は何のために生きてんのかな?」
寅「何だお前、難しいこと聞くなあ。 うーん、何て言うかな。ほら、ああ、生まれてきてよかったなって思うことが何べんかあるじゃない、ね。そのために人間生きてんじゃねえのか」
満男「ふーん」
寅「そのうちお前にもそういう時が来るよ、うん。まあ、がんばれ、なっ」


17歳となり多感な時期となった満男(吉岡秀隆)の問いに寅さんが真摯に答える際の台詞。

難しいことはよくわからねえが、どんな人にもその人なりの「生まれてよかったな」と思えることがある。そんな幸せな瞬間があるんだから、人生捨てたもんじゃないよ、希望をもっていけよと優しい励ましの心に満ちています。

第48作『寅次郎紅の花』

「苦労したんだなぁ。本当に皆様、ご苦労様でした」


シリーズ最終作となった本作において、寅さんが阪神淡路大震災の被災地に立ち、被災者たちに向かって語った台詞。

本作が制作された年(1995年)の1月17日に阪神淡路大震災が起こりました。劇中の冒頭では、とらやの面々が見ていたテレビのドキュメンタリーに、なんと被災地でボランティアとして活躍する寅さんの姿が映し出され、一同仰天するシーンが流れます。

撮影当時、渥美清の病状は思わしくなく無理を押しての出演であり、ほどなくして渥美が死去したため、本作が遺作となってしまいました。劇中のラストで復興途上にあるお正月の神戸の街を訪れた際のこちらの台詞が、結果的に寅さんとしての最後の台詞となりました。

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いつも心に寅さんを。

人生に迷ったら風に向かって寅さんに語り掛けたい。日本のどこかで寅さんは「生きてる?そら結構だ」と優しく微笑んでくれるでしょう。