恩田陸『蜜蜂と遠雷』

「世界最高峰のS国ピアノコンクールで優勝できる」とのジンクスを生んだ芳ヶ江国際ピアノコンクール。この物語で描かれるのは、そこに集い、自身と向き合い、持てる才能のすべてをぶつけ合う若きピアニストたちのはげしくも孤独な闘いだ。

自宅にピアノを持たないが天賦の才に恵まれた風間塵。母の死をきっかけに表舞台から姿を消した栄伝亜夜。サラリーマンとして働きながら必死に練習を重ねてきた高島明石。名門ジュリアード音楽院に通う優勝候補マサル・カルロス・レヴィ・アナトール。

彼ら4人をはじめとする個性的なコンテスタントたちによってさまざまに繰り広げられる感動的な演奏、そしてあきらかにされていく背景。巧みな筆致で生々しく描写されていく会場の臨場感は、読み手の心を大きく揺さぶらずにはおかない。

はたして2週間におよぶ予選・本選を勝ちあがり、優勝の栄冠を手にするのは誰なのか――?

登場人物別 関連楽曲CDまとめ

風間塵

栄伝亜夜

高島明石

マサル・カルロス・レヴィ・アナトール