「最後の5分、全てが覆る。あなたは必ず、2回観る。」のキャッチコピーで話題の映画『イニシエーション・ラブ』。原作は「映像化不可能」と言われ続けたトリックミステリの名作。そこで今回、『イニシエーション・ラブ』同様、最後に思わず「ファッッ!?」となってしまう大どんでん返し系小説・ミステリーの傑作・名作を集めました。
※作品の選出および評・感想はあくまでも担当者の個人的な好みに基づくものです。

イニシエーション・ラブ

以前よりどんでん返し小説として定評のあった一冊だったが、タレント・くりぃむしちゅー有田がTVで薦めたことにより一気に人気が爆発。そして満を持しての映画化。ミステリと呼ぶべきかどうかはさておき、確かにラストの衝撃度合には嘘偽りなし。なんというか、まさに「羊の皮をかぶったオオカミ」のような小説。

弁護側の証人

1963年刊行、いまも色褪せぬ叙述トリック(※文章上の仕掛け/工夫によって読み手側のミスリードを誘う手法)の代表的古典。50年以上も前の作品なので設定や言い回しなどには違和感ありありだが、トリックが解け黒が白に大反転するその瞬間はさすがの名作。痺れます。タイトルからも分かるとおり、アガサ・クリスティー『検察側の証人』はできればその前に読んでおくべし。

仮面山荘殺人事件

売れっ子ゆえなにかと敬遠してしまいがちな東野圭吾だったが、たまたま読んだこの短めの作品で評価は180度逆転。内容/構成/オチ、そのすべてがハイブリット。とても読みやすい文章量なので初心者にももってこい。さあ、爽快などんでん返しがアナタを待っている。

十角館の殺人

どんでん返し云々というより、まぎれもなく日本ミステリー界を代表する無敵の一冊。その影響力は、これ以後業界で「綾辻以降」という言葉が使われるようになったほど。ちなみに奥さんはこれまた『十二国記』シリーズなどで著名な作家・小野不由美。

ロートレック荘事件

日本SF小説界を代表する巨匠・筒井康隆が1990年に発表した叙述トリック全開の推理小説。決してトリックミステリの名作というわけでもないが、人間の実にいやらしい“偏見”に視点を向け利用した、というところがいかにも御大らしく個性の光る作品。

葉桜の季節に君を想うということ

2004年、あらゆるミステリ―関連の賞を総なめにして当時かなり話題となった一冊。これこそまさに「映像化不可能」の言葉にふさわしい。ミステリーというよりは、なんというか青春小説とでもいった方がよいのかも。アナタの先入観を心地良く騙してくれます。

向日葵の咲かない夏

『月と蟹』で第144回直木賞を受賞した若手実力派・道尾秀介による人気作。いわゆる正統派ミステリーとは一線を画す内容だが、不思議な読後感と魅力を備え、口コミで売り上げを伸ばし、最終的には100万部を超えるベストセラーとなったのもうなづける。ちなみに「向日葵」=「ひまわり」と読む。

ハサミ男

タイトルからしていわゆる猟奇的でグロな内容を想像しがちだが、実際にはそういうエグい描写は殆ど出てこない。それどころか、文章/伏線の張り方など見事に整理されておりとても読みやすく、まさに「叙述トリック」のお手本のような一冊なので初心者にもオススメ。でもこのタイトルはちょっとズルい。

殺戮にいたる病

かつてスーパーファミコンで発売された『かまいたちの夜』――ご存じだろうか。その原作者による猟奇系サイコホラーどんでん返しがコレ。「あーなるほどー」といった爽快感はそこにはなく、まさに呆然自失な衝撃の結末が手ぐすね引いてアナタを待っている。ご注意を。

慟哭

連続幼女誘拐殺害事件をめぐる警察、新興宗教、そして犯人...。書店業界のなかで口コミ的に広まり、徐々にベストセラーへと成長したのもうなづける出来。ミステリとして、そして人生を描いた心理小説としての両方が楽しめる、なかなかありそうでない稀有な作品。見事な構成。

そのほか読んで損なしトリックミステリ名作