健'z with Friends インタビュー

それではまず始めにそれぞれ自己紹介をお願いします。

曾我:僕は曾我泰久と申します。

黒沢:黒沢健一です。こんな感じで喋りますが、よろしくお願いします。

萩原:萩原です。よろしくお願いします。取材する側が多いんですけど(笑)。

(一同笑)

黒沢:今回は(笑)。

取材ってあまりご自身で受けた事はないんですか?

萩原:単独でそういう企画の時の取材を受けるってのはいろいろありますけどもね。ミュージシャンとしてはあんまり取材は受けないね(笑)。

最初、好きな食べ物とか聞こうと思ったんですよ。

萩原:あー良いですねー。全部!

(一同笑)

日本の女の子はどうですかとか。

萩原:あー良いですねー。トテモ、チャーミングダヨ。

(一同爆笑)

萩原:ニホンノコガ、セカイジュウデ、イチバン、ヤサシイネ。

黒沢:外タレ風なインタビュー(笑)。

まず最初に健'zを結成したきっかけを教えて頂こうと思うんですけれども。

黒沢:はい。これは元々、歌舞伎町のロフトプラスワンというところで萩原健太さんが司会という形で、例えばフィル・スペクター特集だったり、ビーチボーイズ特集だったりと毎月お題を決めて、そのお題のアーティストに関するレコードをかけたり映像を見たりしながら、お客さんはビールなどを飲みながらそれを楽しむという、能地祐子さんのプロデュースで月一回やってるCRT(The Country-Rock'n Trust)っていうイベントがあるんです。

わかりやすく言うとトークライブに音源と映像が付いて、健太さんがそれを解説して初心者の人にもマニアの人にも楽しめるような、それは健太さんがやられてるラジオとかの生の感じというか(笑)、生ライブ萩原健太音楽バラエティ(笑)みたいな感じなんですけれども。
それで僕も5年位前にゲストでお邪魔させて頂いて健太さんとトークをしたり、ポール・マッカートニー特集の時には語り部として自分の好きな曲をかけたりとかしてたんです。

それは3時間か4時間位のトークライブなんですけど、その中に健太さんがギターを持って例えばこの曲はどこが面白いのかみたいな話があって、そういう時にコード進行とかをその時来てるビーチボーイズイベントだったらビーチボーイズファンのお客さんとかに、ブライアン・ウィルソンが作ってるコード進行はこういう感じなんだよってやってる時に、コードだけだと難しいんで、僕がたまたま語り部で参加してる時には。

萩原:健一、歌えと。

黒沢:うん、歌えと。それでその時すぐにこうパッて歌って。その時ビーチボーイズってお題で集まってくれた人とかポール・マッカートニーってお題で集まってくれた人達に、生でそういう風に解説しながら曲を聴いたりするのが面白いということで評判が良かったんですよ。
僕も元々歌うの好きですし、健太さんもギターの演奏も。何かそういうノリで、最初はCRTっていう中でクローズドな感じでやってたんです。

萩原:クローズドな見世物として(笑)。まぁ、僕はビーチボーイズとか好きだったし、ポール・マッカートニーも好きだったから、例えばギター一本でビーチボーイズのサウンドとかをどうやったら再現出来るかなーということは昔からちょこちょこやってたりはするわけですけど、僕は歌えないんで、あんな高い突き抜けるようなファルセットとか出ないんで、あー歌えたら良いのになって思ってたわけですよ。
で、健一は歌えるんですけど、この人はMOTORWORKSとかでギター弾いてますけど、基本的に下手なんですよギターが。

黒沢:すごい下手なんですよ。ハハハハハ(大笑)。

萩原:これは双方のですね。

黒沢:利害関係が一致してですね。

萩原:利害関係が一致してですね。あ、じゃあ一緒にやれば出来るんじゃないかみたいな(笑)、夢が叶うんじゃないのってことで何となくそういうクローズドな場所で始まったことだったんですけどね。

CRTの中では最初から健'zという名前でやっていたんですか?

萩原:最初は全然名前もないですから(笑)。

黒沢:うん。

萩原:何度もやるようになって来て、それまでは断片をやってたわけですよ、ここの曲のここのサビのここが良いんですよー!とかっていう部分しか見せなかったのが、割と評判が良かったんで、じゃあ丸々やるかみたいな感じで、一曲やるようになって来てしばらく経った頃にね。

黒沢:最初は断片から一曲ずつ演奏するようになって。

萩原:そしたらそろそろ名前が必要なんじゃないかと。

黒沢:お客さんに言われたんですよね。

萩原:イベントではアンケートみたいな質問用紙配って、それを読みながら進行したりするんですけど、その中でいろんなアイデアが出た中でね、ボーカルとギターのユニットっていうと日本で有名なのはB'zだ!ってことになって、まぁ、自分達も人に説明する時にギターとボーカルなんでB'zみたいなもんですよって言ってたんですよ(笑)。

黒沢:最初はすごいクローズドな話だから(笑)。

萩原:そうそうそう、まぁ、その段階で実際はテツandトモに近かったんですけど。だけどまぁB'zだなぁっていう風なことを言ってたら、お客さんがじゃあ、健'zで良いじゃないかっていうことを言い出した人がいたんで、「あぁ、じゃあ、良いね、健'z」なんて言ってるうちにいつの間にか健'zってことになっちゃんたんですよね

黒沢:そう、CRT内での呼び名としてね。

萩原:お客さんが名付け親なんだよね。

黒沢:いつも曲解説と共に歌ってるから、健'zが良いんじゃないのz(ゼット)でみたいなのがCRTのアンケートで来て、それ面白いねって、その場のお客さんと盛り上がって。

萩原:そんな感じです(笑)。

これは情報としてはレアな感じですね(笑)。

萩原:B'zの方には怒られちゃうかもしれないですけど、尊敬してるんです。

こうやって始まった健'zですが、始めは2人組なので一応ユニットで良いんですよね?

黒沢:まず基本的にすごいクローズドなところってのがベーシックで、CRTの中の演目としての健'zというのがまずあって(笑)。

萩原:うーん、コンビだな。

(一同笑)

黒沢:それでまぁ、CRTでビーチボーイズのお題の時にコーラスを再現したいねとか、そういう話になって。別のお題の中にTHE GOOD-BYEというのがありまして、THE GOOD-BYEは曾我さんのいらっしゃったグループなんですけど、その時に本人は出てないんですけど、THE GOOD-BYEファンの方がCRTに来て、THE GOOD-BYEの音源を聴いたりとか、THE GOOD-BYEの深い音楽性を掘り下げようみたいな会が行われてたんですけども、その流れでプロデューサーの能地さんがTHE GOOD-BYEのプロモーションなんかで加わっていたりとか。

萩原:THE GOOD-BYEの再発をやってたんですよね。丁度その頃に能地祐子とイラストを描いてくれてる本秀康君の2人が監修する形でTHE GOOD-BYEのオリジナルアルバム再発とかをやってたというのもあって、なんだかんだでその頃よくヤッチンと会ったりするようになって。結構古いんだよね、健一より前に会ってるんだ、1990年代?

曾我:90年ですね。

萩原:1990年位に会って、その頃からスタジオで一緒に僕のやってる仕事なんかで、ヤッチンに来てもらってコーラス入れてもらったりとかっていうようなことを、ずっとやってた時期があって。そんなことでそのTHE GOOD-BYEの再発話の時に久しぶりに3人で会って、前からちょっとヤッチンと何か一緒に面白い事出来たら良いななんてことも思ってたんで、それで能地祐子の勧めもあって、ちょっと一緒にやってみない?みたいな話になって。コンビに1人、友達が出来て(笑)。

黒沢:(笑)

萩原:そのTHE GOOD-BYEの再発をやってる時にTHE GOOD-BYEの元ディレクターをしていた男が、今、新人と言うかデビューさせようと思ってるアーティストがいるんだって言って、カヴァー曲なんかもやってるんで、ちょっと聴いてみてくれない?って言われて聴かせてもらったのが、高田みち子というシンガーソングライターでそれを1曲聴かせてもらった時に、「あぁ、良いよねー」みたいに。一緒に聴いたんだよね?

曾我::うん。

萩原:「良いねー」みたいなことで、会ったこともないのに(笑)、軽いノリでじゃあ、ライブ来てもらおうかみたいな(笑)。

(笑)

萩原:その時、健一いなかったんで、健一いないとこで俺とヤッチンとで、まぁ能地がいたんだけど。

黒沢:ハハハハ。

萩原:じゃあーちょっと4人でやろうかみたいな話に(笑)。

黒沢:次のCRTのお題がwith Friendsでやろう!みたいな。そうするとハーモニーも出来るしみたいな。

萩原:そんなことでなんとなくコンビが4人になって。

今度はグループに。

黒沢:そうですね(笑)。

萩原:グループと言うかバンド!になったってことでしょうか(笑)。

黒沢:コーラスグループとして新たな。

萩原:コミックバンド(笑)、そうじゃないね、違うよね。

(一同笑)

萩原:まぁ、そんな流れですね。2人の時になんとなく録ったのを1枚出して、ヤッチンにはそれを聴いてもらったりもして、「こういうのやりたい?」って言ったら「やりたい、やりたい」なんて言ってくれたんで、そんなこともあってだんだん自然発生的に人数が増えて来たんですね。

曾我さんは参加されてみていかがでしたか?

曾我:いや、楽しかったですね。今日初めて健'zの出来上がった姿を聴いたんですけどね、僕も(笑)。

萩原:(笑)

曾我:何も知らずに歌いたい歌いたいって言って、カヴァーってずっとやってなかったですから。カヴァーやって自分が中学生位の音楽が大好きだった頃の気持ちがまた甦って来て、なんかすごい新鮮だなと思って。

じゃあ、新たな刺激みたいなにもなったんですね。

曾我:すごいありますね。

なるほど、それでは今回、健'zから健'z with Friendsと人数が増えたわけですが、最初の時のアルバムっていうのはお2人が好きな曲とか歌いたい曲っていうのが選曲のポイントだったんですよね?

黒沢:ポイントというかCRTっていう中でやってて、たまたまポール・マッカートニーの来日スペシャルみたいなのがCRTの中であったりとか、ビーチボーイズのブライアン・ウィルソンの題目でやったりした時があって、曲の解説をしながら歌った数が多かったんですよね(笑)。その時にはホント、最初はリリースするっていうよりも僕、録音するのが好きなんで、個人的にこのロフトでの音というのをなんか記録に残しておきたいなーっていうのが、すごい小さいレベルだったんですけど(笑)、単純に録りたいなと思ったんですよね。

アコースティックギター1本として再現したりしないような楽曲を結構真剣にCRTの中で演奏してたんで、お客さんの中でもあのコードをどうやって弾いてるんですかとか、ギター1本でビーチボーイズをカヴァーするとか、そういうことがすごく音楽ファンの人達も面白いと思ってくれたみたいで。最初は自分で録った音源とかをCD-Rとかに焼いて、そこに来てるお客さんとかに「こんなの作っちゃったんですけど」って(笑)、渡すぐらいな気持ちで録ってみたんですけど、思いの外これが自分的にすごく気に入って(笑)。
そのCRTの仲間でもある本さんが当然イラストレーターなのでジャケットとか描いてくれて、ちゃんとプレスしてCDの盤になってお店とかに並んでね、それを聴いてくれる人がいたらこれはちょっと嬉しいなと思って。そこでちょっとリリースをしてみたいなと思ったんですけど。まぁ、好きな曲と言うかその時やってた曲の中で録った曲をチョイスしたんです。

じゃあ、今回の選曲とはまた違う感じなんですね、今回はどんな感じで選曲したんですか?

黒沢:今回の選曲はまず健'z with Friendsっていうので夏にライブをやって。

萩原:あと暮れに2DAYSやるってことになって。だからその時にライブでやろうと思った曲がほとんどだよね。

黒沢:せっかくみっちゃんも来て、曾我さんも来て、この4人の体制になったので、みんな各自リードボーカリストなんで、個人個人がこの曲歌ったらどうだろうなんて話をしながら。

萩原:基本っていうところであなたが先の質問でおっしゃってることは間違いがないっていうか、好きな曲やってるだけってのはあるんですよ。

黒沢:(笑)

萩原:1stの時もなんかいろいろ言ってましたけど、要するにただ好きな曲をやっただけなんですけど。

黒沢:(笑)

萩原:2ndの時も結局、自分達でなんかこういう風にアレンジしてやったら良いよねと思ったような曲を、特になんか使命感があってこの曲を世の中に広めるとかそういうのでもなくね。この曲、良い曲なんだよなーとかっていうようなところで、この曲は健一が歌うより、ヤッチンが歌ったら良いよねとか、あるいはヤッチンの声で歌ってほしい自分の好きな曲とか、あとみっちゃんに歌ってもらいたい好きな曲とか、そういうのが難なくいろいろやってるうちに出て来てという感じですかね。あんまり今の時代にこの曲がカッチリとかね、そういうんでもなくですかね。過去、無数に良い曲はあるわけなんですけど、そういうものの中であの時点で何となく我々がやりたかった曲って感じですかね。

あんまり他の人のカヴァーアルバムとかには入らない曲が多いですよね。

萩原:あー、そうかもしれませんね。

黒沢:ハハハハ。

萩原:敢えて外してるってわけでもないんですけど。よくマニアックだとか言われるんですけど、例えば1stに入った曲もよくマニアックだとか、他の人に言って頂いたんですけど、少なくとも僕と健一の間では割と普通にある曲なんですよ。普段からよく聴いている曲で、だから我々は勘違いしてて、みんな知ってると思ってやってるんですよ、この曲はみんな知ってる!って思ってやってるよね。

黒沢:そうですね。

萩原:こんな有名な曲やっちゃって良いの?みたいな感じはどっちかって言うとあるんですけど、多少その辺でちょっとおかしいかもしれませんけど(笑)。

黒沢:パッと健太さんがギターを弾いてすぐ歌えた曲が中心ですからね(笑)

萩原:そう。

え?打ち合わせなしなんですか?

萩原:2人の時は打ち合わせしなかったですよね。

黒沢:しなかったですね、ほとんど。

えー、それで歌えるし、弾けるしってことなんですね。

萩原:そうですね。

黒沢:そうですね。

萩原:ただ2ndも基本的にはそういう感じの曲ですよ、もう体に入っちゃってる曲をやってるんですけど、人数が増えたり、あとコーラスがボイシングしなくちゃいけないとか、アレンジの問題とかもあるんで、そこは2人の時よりは綿密にやってるし、この曲は例えばヤッチンはそれを知らなかったりとか、みっちゃんは知らなかったりってとこもありますから、そういう練習はしなくちゃいけなくはなりましたけど、基本的にはその辺はかなりいい加減と言うか、怠惰と言うか。

(笑)

黒沢:だからマニアックですねって言われると、どう言って良いかわからない(笑)。

そんなつもりはないっていう(笑)。

黒沢:うん、全然ない。

萩原:ただ人に言われて気がついたことがあるんですけど、やっぱりカヴァーっていうのはそういうことだよねって言ってくれた人がいて、つまり世界で初めてやるとか、それがやっぱりカヴァーの醍醐味だし、自分達のものとして提出するに当たっては、アレンジして自分達のものに昇華してやるんであれば、やっぱりそれは何の曲を選ぶかってところが、ものすごく大きな主張になるわけでね。まず世界初っていうのは結構重要なことじゃないかっていうようなことを言ってくれた人がいて。今回のアルバムでは何曲かは割とカヴァーされてる曲も入ってますけど、たぶん誰もやってないだろうなっていうようなものをやるっていうのは、意識的ではないですけど無意識のうちに少なくとも僕と健一の間にはあるのかもしれませんね。

アルバムでシングルカットとかにはならなくても良い曲だよねっていうのってどのアルバムでもあるじゃないですか、そういう感じなのかなって思ったんですよね。

萩原:あー、そうかもしれないですね。

個人的にすごい良い曲なんだけど、あんまり陽の目を見なかったりってどのアーティストのアルバムでもあって。

萩原:B面の3曲目位に(笑)。

(笑)

萩原:それはどっか無意識のうちにはあるのかもしれませんね。

それではお2人の選んだ曲を曾我さんが歌ったりという感じなんですか?曾我さんが選んで来たりっていうのはあるんですか?

萩原:もちろん。

それではご自分で歌った曲はご自分で選んで来た感じなんですか?

曾我:1曲は健太さんにそれどう?って、その曲を知らなかったんですけど、僕。

萩原:ハハハハ。3曲歌ってもらってる内の2曲はヤッチンが、「僕、こういうの歌いたいんだけど」って持って来た曲ですね。

じゃあ、戸惑いとかは特になく。

曾我:いや、面白いですよね。すごい楽しいです。

カヴァーアルバムは楽曲そのものを楽しむ聴き方と、オリジナルと聴き比べて楽しむという2つの聴き方があると思いますが、ご自身が他のアーティストのカヴァーアルバムを聴く際にはどちらの聴き方をすることが多いですか?始めにまず聴いて、あっ、こういう風に来たのか!って考えちゃうのか、純粋に良い曲だよねってまず聴いちゃうのか。

萩原:僕なんかどうですかねー。僕なんかにしてみると・・・、僕ねー、あの、こう見えて音楽に結構詳しいんですよ。

(笑)そ、そんな(笑)。

(一同大爆笑)

萩原:すっごい詳しいんで。大体カヴァーで出て来た曲自体、元を知ってるんですよね。だからそこから逃れる事はちょっと難しいんで、今おっしゃったような分け方で言うと基本的にはその違いを楽しんでる方だと思います。

なるほど。

萩原:健一はどうなんですかね。

黒沢:僕はカヴァーアルバムっていうのが最近流行ってたりとかするから、やっとそのジャンルとして定着したような気がするんですけど、ビートルズとかもカヴァーやってるじゃないですか、でもオリジナルだと思ってたんですね、子供の頃とか。

あ、思ってましたね。

黒沢:うん。ビートルズが全部書いてるとかストーンズとかも、全部ローリング・ストーンズの作曲だと思ってたりとかするじゃないですか、何のインフォメーションもないから。えっ、チャック・ベリーって人がいるのとかやっぱりそこから遡って来てたから、だから実のところローリング・ストーンズの1stなんてカヴァーアルバムだったりとか、ビートルズも。

萩原:そうだね。

黒沢:まぁ、ポップスが始まって、ロックン・ロールが始まってから、最初の頃のアルバムってかなり全部がバンド名だけがその「なんとかズ」っていうことで、オリジナル・アルバムだったりとかしてたりとかって結構多かったりするので、健太さんとはちょっと違った意味で、あ、こういう解釈をしたのかって、ちょっとその先の話なんですよね僕からしちゃうと。まず最初オリジナルと思って聴いてしまうっていうのが1番の楽しみだったりとかするから。で、オリジナルに遡ると、なんか結構ショボいじゃんとか(笑)、オリジナルの方がすごい良いとかっていうのは、もっと後になってからわかって来たことで、そういう楽しみ方っていうのがわかって来たのはここ10年位ですかね。

萩原:詳しくなったんだね。

(一同笑)

黒沢:詳しくなったんだ、あぁ、良かったみたいな(笑)。

萩原:(笑)

黒沢:だからもし健'z with Friendsとかも、これも昔に出てたらオリジナルアルバム(笑)としても別に良いんではないかなという気はするんですけどね。

曾我さんはいかがですか?

曾我:たぶん僕も健一君と同じで最初に聴いた時の印象で受け方が違うと思うんですけど、だから知らない曲がこの中に詰まってたら新曲として聴けるじゃないですか、そうすると単純にあぁ良いなぁと思ってくれることが一番嬉しいし。それだけで良いなぁで終わっちゃう人もいるし、これって誰が歌ってるんだろうっていう風に遡る人もいるだろうし、いろんな聴き方があると思うんですね。ただ最初に聴いてもらった時になんか良いよねっていう風に思ってくれたら、一番良いんじゃないですかね。

ですね、きっかけになる可能性がすごい高いですよね。

萩原:THE GOOD-BYEはカヴァーアルバムがあるんですよ。

そうなんですか?

萩原:「SHOUT!!」っていうね、もうリバプールものばっかりカヴァーしたミニ・アルバムがあって。これがすごく良いんですよ、その中で1曲、ヤッチンの曲でTHE GOOD-BYEの初期にやった曲をTHE GOOD-BYEでセルフカヴァーしてる曲が入ってたりして。

えぇ。

萩原:良いカヴァーアルバムですから、是非みなさんね、THE GOOD-BYEの「SHOUT!!」を。

(笑)

黒沢:健'zに入る前はこの人こんなことを。

萩原:健'zに入る前はこんなにカッコ良かったんだ!

(一同笑)

黒沢:(笑)何てことを。

前作のアルバム・ジャケットもキーワードが散りばめられていましたが、今回のアルバムも見る人が見るとわかるんですよね。ちょっと調べて来たんですけど、ビーチボーイズの「Spirit of America」というアルバムのジャケットとかだったりするんですよね。あと知らない人達に向けてここはヒントだよとかっていうのがありますか?

萩原:それね、全体はビーチボーイズのベスト盤の「Spirit of America」っていうのを元にはしてるんですけど、今回ビーチボーイズの曲が3曲位カヴァーで入ってて、それはそれでありなんですけど、前作の時はポール・マッカートニーが非常に多くて、割合で言うと今回はポール関連が1曲しか入ってないぐらいのものなんですけど、このアルバムジャケットの中にはやけにビートルズ関連が多いんですよ、デザインとしては。それをまぁ、暴いて下さい(笑)、たくさん入ってますから。

じゃあ、ビートルズのところもチェックですね。私は前作のアルバムも言われるまでわからなかったんですよ。

萩原:これはなかなかね、難しい。大きく3枚を・・・・。

羊とか。

萩原:羊を入れると4枚ですかね。その羊はちょっと微妙だなーみたいなね。ちょっと羊の謎解きは非常に難しい(笑)。

そうなんですか(笑)。

(一同笑)

萩原:えぇ、その羊に関してはちょっと難しいところがあるかもしれません。それはCRTというもののファンだとピンと来る人もいる羊なんですけどね。

そうなんですね(笑)、それでは今回のアルバムの聴きどころを語って頂けますか?

黒沢:そうですねー、4人になった健'z with Friendsをお楽しみ下さいって言うか(笑)、コーラスも出来るようになりましたみたいな(笑)。

曾我:単純に聴いてて気持ち良いですよね。4人から出て来る音だけじゃないですか、声とギター、途中グロッケンとか入ってますけど。ほんとに余分なものが削がれてるから、ピュアな音楽の良いところだけが詰まってると思うんですよ、僕は。

シンプルなところが良いっていうのはありますよね、歌とギターとって言うところで。

曾我:そうですね。

楽曲の良さって言うのもそこで際立ちますよね。

曾我:ずっと家の中で流してても飽きないんですよね。

それありますよね。

曾我:普通、自分達でレコーディングしてるとレコーディングしてる段階でもう飽きちゃって、後であんまり聴かないものなんですけど。

(一同笑)

曾我:このCDに関してはずっと聴けますね。

ある意味、問題発言ですね(笑)。今回は4人に増えたということで楽曲の幅も広がった気がしますね。

萩原:そうですね。健一だとちょっと合わないタイプの曲っていうのもいろいろあるんですけど、その点は例えばヤッチンが歌えたり、みっちゃんが歌えたりっていうのがあるんで、幅は広がりますよね。

女性ボーカルが入ったということで。

萩原:2人だと出来ないなこの曲はっていうのは確実にあったもんね。

黒沢:そうですね。

それでは健'zから入る人達の為にこのアルバムを聴いてるとより楽しめるよっていうアルバムをそれぞれ1枚紹介して頂けますか?

萩原:1枚ってのは難しいねー。

黒沢:難しいですねー。

後は自分で頑張ってっていう。

黒沢:結構それも楽しんでほしいなっていうのがあるんですよね。これで知った曲で掘り下げ行ったりとか。僕なんかは逆にそうやって遡って音楽を知ったりとか、さっき言ったこのオリジナルは誰なんだろうみたいなところで音楽が好きになって行ったタイプだったりとかするんで。逆に健'zで初めて聴いてこの曲良いなと思ったら、その曲のオリジナルアーティストを調べてみるとか、そういうことで楽しんでもらえると。このアルバム1枚って言っちゃうにはあまりにも選曲とやってることとがかなり広範囲なんで(笑)。

萩原:広範囲だねー。

黒沢:うん。

今の子達だと知らないアーティストもいるかなってちょっと思ったんですよね。ビーチボーイズとかはわかっても、あまりにもマニアックだと、この人誰!?っていう人もいるのかなっていうとこで、これは聴いておいたらいう感じのがあったら。

黒沢:なるほどねー・・・全部!

全部(笑)。

黒沢:楽しめますよっていう(笑)。

萩原:そうだねー。

じゃあ、このカヴァーの名前が書いてある人は聴いておいた方が良いよってことですね(笑)。

萩原:そうですね。

メッチャ勉強ありますね。

黒沢:勉強しろと言ってるわけではないんですけどね。

萩原:いやー、勉強しろ!

(一同爆笑)

萩原:一緒に楽しむ為には勉強しようよ、みんな!

(笑)

萩原:やっぱね、ポップスは学習ですから、学習しないとね。学習すればしただけ面白くなりますよ、ポップ・ミュージックは。何となく学習しないで楽しめるものがポップ・ミュージックだっていう考え方があると思うんですけど。気楽に楽しむのが良いって言うんだけど、気楽にでも良いから探究心を持っていろいろ調べてくと、更に面白くなってくるんですよ。あ、そうだったんだーっていう発見が、いろいろ出来て来て面白いと思うんで。もちろんその結果が・・・僕みたいになっちゃうんだと、ちょっとそれが万人に勧められることかどうかわからないんですけど。

(笑)

黒沢:(笑)

萩原:でも僕は今、非常に幸せな人生を送ってますから(笑)。

黒沢:ワハハハ。

萩原:ポップ・ミュージックに関して、そういう幸せをみんなで分かち合いたいので(笑)。是非、勉強して頂くとですね、ギターでちょっと入れたフレーズとか或いは健一がちょっとしたフェイクをメロディーに対して入れた時とか、ヤッチンが面白いハーモニーを付けた時とかに、「あっ!」って思ってもらえるリスナーの人が増えると、すごく健'z with Friendsのおっきくなって来る感じがするんで。
例え1枚とは言わないんでこれでTHE GOOD-BYEの「SHOUT!!」を是非、お勧めするということで(笑)。

(一同爆笑)

曾我:それがオチですか(笑)。

萩原:カヴァーアルバムの先駆ということでね(笑)。なかなかねテーマが面白いんですよ、リバプールサウンドのカヴァーアルバムなんだけどビートルズは入ってない。ここがなんか通じるじゃないですか!そこのちょっと1本、筋の入れ方っていうのがね。

(笑)

萩原:だけどとある曲は他の人がやってる曲なんだけど、ビートルズがやったアレンジで入ってるとかね、そこら辺が非常にね、そういうのも聴き込んでないとわかんないことでしょ?普通に提出された時にあぁこういう曲があるんだって言うんじゃなくて、ビートルズの有名な曲は入ってないんだけども、ビートルズがやってたアレンジで他の人の曲が入ってるとかっていうのを発見するのはリスナーそれぞれじゃないですか、やってる側が説明することじゃないですもの。
そこで初めてリスナーとパフォーマーとのすごく幸福なコミュニケーションがあると思うんですよ。健'zっていうのもそういう空気感みたいなものを、すごく味わいたくてやってるとこがあるんで、敢えてこっちからこれはこうなんですよって説明しすぎることなくですね。いろいろ発見してくれると嬉しいなーと思って提出してるところがあるなーって話はどう?

(一同爆笑)

曾我:確かにね僕もTHE GOOD-BYEの時のビートルズアレンジでやった時に、あれがやりたいが為にあのカヴァーアルバムを作ったようなものなんですよね。

萩原:その謎解きをね、誰かがしてくれると、あっ!気がついた?みたいなね(笑)、そういう楽しみもあるんですよ。今回のにもそういうのはいろいろ込めてありますんで、何となくそういう遊び心みたいなとこも楽しいんですよ。

これを聴いて、知ってる人はニヤリとするも良し、知らない人は遡って、あー!って思うっていう楽しみ方が。

萩原:そうですね。そういう楽しみ方が良いかなーなんて思うんですけど、そのオリジナル・アーティストだけをあたるだけじゃ、わかんない種明かしみたいなのもいろいろあることはあるんですよ。ただそれを別に売りにしてるじゃないんですけど。

(笑)

萩原:僕らからは自然にそういうのが出て来ちゃったんで、それをもう一回リスナーの方なりに再構築っていうか、あーなるほど、この人のをやるにあたってこっちのアーティストのこれを組み合わせたんだーとかね、なんかそういうのって楽しいじゃないですか、パズルみたいなのがね。

えぇ。

萩原:もちろんそれを目的にしてるわけじゃなくて、ほんとに僕らが良い曲をやりたいなってことで、その曲に対しての恩返しみたいなことをも含めてやってるとこあるし。あとやっぱりすごくマニアックに聴いて下さってる人も現状いるので、そういう人達をニヤリとさせたいっていうか。その人達がこれは考え付かなかったって思わせたいっていうような、そういう遊び心もありますし。
いろんなことが重なってはいるんですけど。ポップ・ミュージックってそんな風に楽しいものなんですよ。例えば新しい音楽が出て来た時に、前のものを否定して出て来たっていう風に語られることが多いでしょ?

えぇ。

萩原:ロックン・ロールはそれまでのポピュラーミュージックを否定して出て来たとか、パンク・ロックがそれまでの音楽を否定して新しいものとして出て来たとか、ヒップ・ホップがとか・・・っていう風なことを言われがちなんですけど全然そんなことはなくて、ロックン・ロールだって、パンクだってヒップ・ホップだって、実は前の音楽の遺産っていうのを全部受け継いで、その時にシーンがちょっと忘れかけていたようなことを甦らせる動きとして出てくるわけですよ。
だから全ての音楽はその前の歴史みたいなものを全部引きずってると思うんです。だから一つの曲にはそこに至るまでのいろんな歴史っていうのが実際には存在してて、それをどれだけ聴いた時に楽しめるかとか発見出来るかとかっていうのが、実はリスナー側のクリエィティビテイっていうか、聴く側が豊かになればなるほど、その音楽も輝くってことはあると思うんですよね。

えぇ。

萩原:今はちょっとその傾向も弱まってるとこがあると思うんで、みんなでもっと聴き手も豊かになって行った方がポップ・ミュージックは楽しくなるんで、勉強って言葉はちょっと良くないですけど、でもそんなようなことですよ。やっぱりいろんな事を覚えて行くと、全ての音楽がもっともっと楽しくなるんで、みんなでマニアになれと。

(笑)

黒沢:楽しいよー。

萩原:そう。そうやってレコード業界を救おうよ!

(一同笑)

このアルバムは特に10代の子に聴いてほしいと思ったんですね。良いきっかけになるんじゃないかなっていう。もう曲自体も素晴らしいし、みなさんのやってることもとても素晴らしいのでこれを聴いて、「へー、カヴァーなんだ」って思って、いろいろ聴いてみようかなって。自分達もそうだったような気がするんですね、好きなアーティストの曲を聴いて、オリジナルはどんな曲なんだろうって。なので今聴いてるマニアの人達も含めて、これから音楽を聴いて育って行く世代のリスナーにも特に聴いてほしいなっていう気はすごくしましたね、なので特にお勧めだなっていう。

萩原:よろしくお願いします。

それでは7月には東京で、9月には東京、大阪、名古屋の3ヶ所でのツアーが決定していますが、ツアーへの意気込みを聞かせて頂けますか?

曾我:初めてこの4人で東京以外の所に行けるんで、終わった後おいしいものが食べれるのが。

(一同笑)

みなさんツアーのことを聴くと、「ごはん」って言いますよね(笑)。

曾我:そうですよね。やっぱり東京だとみんなそれぞれ帰る時間とかありますけど、地方行くともういくら飲んでてもホテル帰って寝るだけで済むじゃないですか(笑)。東京だけでやってて地方のお客さん達が見たい見たいってずっと言っててくれてたんで、やっとお披露目出来るかなと。

ファンの方も待ちに待った感じですね。

曾我:そうですね。もうすっごい期待がデカ過ぎてて(笑)。

萩原:遠い所から来て下さったりとかね、これまで東京でしかやってなかったんで、申し訳ないなって感じはあったんで。

元々そんなに大人数のキャパではないですものね。

萩原:しかも椅子出してますんで、というか我々が座ってるもんでね。お客さんに立ってもらうわけにもいかないし、ダラダラ喋ってるんで。

(一同笑)

黒沢:やっぱねー。

萩原:4時間位やってるからねー。もうブルース・スプリングスティーン並みのコンサートだからね長さだけで言えば。

(一同笑)

黒沢:長さだけで言えば(笑)。

萩原:喋ってるんですけどね、半分位は(笑)。そういうのもあってなかなかたくさんの方に見て頂けなかったことで、いろいろとご迷惑をお掛けしたって言うか。場所的にはロフトプラスワンってのが好きなんだよね、我々はね。

黒沢:そうなんですよね。

萩原:そのトークライブの延長に健'z with Friendsってのがあるんで、例えば僕がブライアン・ウィルソンのことについて語りながら、何か曲かけたりしてるのと同じような感じで、我々が演奏してるだけみたいなとこもあるもんですから、場所とコミで一つ成立してる文化みたいなとこが実はあったので、なかなかそれ以上の形に広げるのも難しいなっていう面はあったんですけど、ただやっぱり非常にチケットが取りにくいとかいう状況になったりしてたもんですから、少しそれを打開して行くものとしてですね。

黒沢:元々CRTっていうイベント自体でも別に健'zが出るとか出ないとかじゃなくても音楽ファンの方は来られるので、チケットが取りづらいというのはあったんですね。特にたまたま健'zっていうのが演目としてあったりとかする中で、健'zを見たいってお客さんがやっぱりいっぱいいらっしゃったところで。

萩原:それで九州の方から来て下さったりとかね、四国の方から来て下さったりとかしてたもんですから、だったら少しでも。

黒沢:ロフトプラスワンではないんだけど、その雰囲気を味わって頂けると良いかなと。

萩原:ただ私達ちょっと内弁慶なもんで、他に出てった時にどうなることやら心配ではありますけれども(笑)。

(笑)

黒沢:ロフトの場合はお客さんみんな飲んでますからね。飲んで食って。

そうなんですか(笑)。

黒沢:ディナーショーみたいなもんですよね。

(一同笑)

萩原:ディナーショーはカレー食わないだろう。

黒沢:カレーとかヤキソバとか食べながら(笑)。

萩原:食べながら見ないぞディナーショーは、食べ終わってから見るの(笑)。

黒沢:食べ終わってから見るんだ(笑)。

(一同笑)

黒沢:みんな食いながら見てますよね、あーなんか良い曲やってんじゃんみたいな感じでやって。そういう感じなんですよね、CRT、ロフトプラスワンでやってるのは。そこがまた僕もすごい好きで。with Friendsになってからもそういう雰囲気でやれる感じというのも。

萩原:実は2人では他の場所でやったことも結構あるんですよ、他のライブハウスでやったり、ホールでやったりね、大阪でやったこともあるしね。そういうのもあるんですけど、4人になってから実はプラスワン以外でやったことないんですよね。この前初めてテレビの収録で他の場所でやったんですけど。

えぇ。

萩原:いかに我々が内弁慶なグループだったか(笑)っていうか、あそこでしかやってなかったんだなっていうのもあるんで。まぁ、そんな感じもちょっと楽しみにして頂ければと。

はい。

萩原:意気込みにも何にもなってないね。言い訳みたいになってる。

(一同爆笑)

萩原:マズイよね。

黒沢:健'z with Friendsの成り立ちとしてはほんと内弁慶ではあるんですけど、海外とか行った時にパブとかにビール飲もうと思って入ると、そこで演奏してる人達が良かったり公園とかでも弦楽四重奏とか急に来て演り始めたり、日常の中にそういう音楽があって。ロフトプラスワンって、自分の知らないアーティストの特集とかでもブラッと入って来てビール飲みながら音楽聴いて。

萩原:なんか歌い出しちゃったよ!みたいなね。

黒沢:歌い出しちゃったよ、あ、良いじゃん!コイツらみたいな。なんかそういうバンドって良いなーっていうかそういうことがあったら良いなって、音楽ファンとしてすごく思っていて、健'z with Friendsってもし存在としてあるんだったら、そういう感じのバンドがあっても良いんじゃないかなと思って。ロフトプラスワンって環境自体とかCRTって場所自体がそういう感じなんですよね。だからちょっとそれが外に出て行くと、コンサート!みたいな感じになっちゃうじゃないですか(笑)、お客さんも飲んでないし。フラッと入って来たなっていうんじゃない人に対して演奏するわけだから(笑)。そこら辺が今後の課題としてね。

萩原:果たして俺は9月のツアーで喋りまくるのかどうかっていうことだよね(笑)、問題はね。

(一同笑)

黒沢:日本はショーとして成立させないとみたいなところと、健'z with Friendsの良さって演奏して、あー良い曲っすねーとかステージ上では盛り上がってて、お客さんも何食べてんですか?みたいなところでやりとり出来たりとかね。

萩原:ジャンケンしたりとかね(笑)。

黒沢:やっぱりそういうのは大事な部分だったりとかして。

萩原:9月はそれがどうなるのかを楽しみに。そのままやるのか、それともイメージチェンジ!を図るのか(笑)。

曾我:お揃いの衣装で。

萩原:蝶ネクタイしてね(笑)。

(一同爆笑)

黒沢:「えー我々、今日はコンサートで立っておりますけど」みたいな。

(笑)なるほど。それでは最後にみなさんに向けてメッセージをお願いします。

黒沢:そうですね・・・頑張ります。

(一同笑)

萩原:おい。

黒沢:いやいやいや(笑)。さっき言ったような感じで、頑張りたいんですけどね。

萩原:(笑)

黒沢:緊張しちゃいますね、なんか(笑)。CRTって中から始まった健'z with Friendsを世間にどうやって伝えれば良いのかっていうのが、個人的には頭の中でグルグルしちゃっていて。普通だとこのアルバムを持ってとか、バンドの意志みたいなものを世にみたいなとこでのインタビューとかになって来るじゃないですか。話せば話す程そういうことではないというか、健'z は趣味から始まって、アルバムリリースも個人的にこれを出したいっていう気持ちがまずあって、僕の中ではそう言った意味ですごく純粋なとこから始まってたりとかするんですよ。
だからそれが世の中にどう広まって行ってほしいかっていう計算もないし、逆に言ったらこのアルバム出せて、ツアーが出来て、また好きな曲も歌えてってだけで僕はすごく幸せなんで、それから先っていうのはお客さんの判断にお任せしたいなというか。僕はこのグループがすごく好きですし、今やってることもすごく好きですってことだけですね、メッセージとしては。後は来てくれた人が判断して頂ければ嬉しいなと。

萩原:良かったとこだけ言ってほしいよね。

黒沢:そうですね。

(一同笑)

萩原:俺ね、音楽評論家だから、何がいけないかとかわかるんだよ。このアルバムは何がいけないんだろうとかって。

黒沢:あぁー。

萩原:わかっちゃうから、なるべく良いとこだけ言ってほしいよね。わかってるから(笑)。

黒沢:評価してほしくないんだ(笑)。俺だったらこう書くな。

萩原:こう書くけど良いから!わかってるんだから(笑)。俺はすごいよくわかってる(笑)。コピーしてくれないかな誰か。コピーバンドの出現を希望だな。

それって自分の中で評論家的な自分とアーティストなってる時の自分と切り替えてるんですか?

萩原:い、いや、アーティストになってるとは思わないで僕はあんまり(笑)。単なる音楽好きのおじさんがいる感じですよ。

(笑)

萩原:ギター弾きながら、これがいんだよーって言ってる感じのおじさんなんですけどね。

え、そうなんですか?(笑)

黒沢:そうなんですかって(笑)。

萩原:うん、かぁー!たまんねー!なんて言ってる感じの。僕、仕事で音楽評論みたいのやってる時も音楽好きのおじさんとして(笑)、かぁー!たまんねー!とか言ってるだけなんで(笑)、あんま変わらないですね。

そうなんですね(笑)、曾我さんはいかがですか?

曾我:まずは聴いてもらいたいですね。手に取って頂いて、そこで今、僕達が喋ったことを理解してもらえたらなと。まず聴いてもらえないと話にならないですからね。まず手に取ってレジに行って下さいと。

(一同笑)

黒沢:すごいなー。

萩原:俺のギターをコピーしてくれ。

曾我:健太さんのギターをどこまでコピー出来るかと。

萩原:コピーしてくれと、もう誰かに任せたいっていう(笑)。

(一同笑)

いかがですか?

萩原:そんなことです。コピーしてくれ(笑)。

そうなんですか(笑)。

萩原:いや、最近ね、偉そうに言うとなんか生ギターっていうものをわかってない若者が多いんで、生ギターってものの弾き方がわかってないんじゃないかなと思うんですよ、ちゃんと弾けよみたいな。いろいろあるっていうのをもうちょっとみんな生ギターを弾いてくれるとうれしいんだけどなー。

曾我:そうですよね、ギター一本ですからね。ギター一本でいろんな曲をやってるわけですからね。

そうですよね、バンドサウンドをギター一本でやってるんですよね。

曾我:そうですよね。

すごいですよね。

萩原:ギターって結構良い楽器なんですよ。ギターはいろんな弾き方があるので、別に僕に学ばなくても良いですけど(笑)、僕が参考にしてるようないろんなスタイルがあるので、生ギターってすごく可能性がある楽器なんだなぁってことをもうちょっとみんな聴いてくれると、僕は個人的にはうれしいですけどね。

はい、ありがとうございました。

萩原:弱気ですいません。

(Interview:Takahashi
2005年7月下旬)