芥川賞受賞作
「時の家」鳥山まこと
青年は描く。その家の床を、柱を、天井を、タイルを、壁を、そこに刻まれた記憶を。目を凝らせば無数の細部が浮かび、手をかざせば塗り重ねられた厚みが胸を突く。幾層にも重なる存在の名残りを愛おしむように編み上げた、新鋭による飛躍作。「叫び」畠山丑雄
早野ひかるは「先生」に打ちのめされ、銅鐸と土地の来歴を学び始める。ここではかつて罌粟栽培と阿片製造が盛んで、満州に渡って「陛下への花束」を編み、紀元2600年記念万博を楽しみにしていた青年がいた。いつしか昭和と令和はつながり、封印されていた声が溢れ出す。大阪と大陸で響き合う夢とロマン、恋愛政治小説。直木賞受賞作
「カフェーの帰り道」嶋津輝
東京・上野の片隅にある、あまり流行っていない「カフェー西行」。食堂や喫茶も兼ねた近隣住民の憩いの場には、客をもてなす個性豊かな女給がいた。竹下夢二風の化粧で注目を集めるタイ子、小説修業が上手くいかず焦るセイ、嘘つきだが面倒見のいい美登里を、大胆な嘘で驚かせる年上の新米・園子。彼女たちは「西行」で朗らかに働き、それぞれの道を見つけて去って行ったが...。大正から昭和にかけ、女給として働いた“百年前のわたしたちの物語”。第174回芥川賞候補作一覧
鳥山まこと「時の家」 畠山丑雄「叫び」 久栖博季「貝殻航路」 坂崎かおる「へび」 坂本湾「BOXBOXBOXBOX」第174回直木賞候補作一覧
嶋津輝「カフェーの帰り道」 住田祐「白鷺立つ」 大門剛明「神都の証人」 葉真中顕「家族」 渡辺優「女王様の電話番」芥川賞・直木賞 過去の受賞作品一覧はこちら
