夏への扉

夏は特別な季節だ。
スリリングでセクシーでスィート、アクティブで開放的、それでいてどこか切ない季節。

かつてある作家がこんなことを書いていた。「夏は単なる季節ではない。それは心の状態なのだ。」

そんな胸躍らせる季節を僕らは過ごしてきた。

夏が近づいてくると女の子は水着選びに悩み、男の子はカセットの選曲に悩む。二人を乗せた車は第三京浜を一路湘南を目指す。仲間がビーチで待っている。もちろんカーステレオからはタツロー。信号待ちをしていると隣の車からもタツローのサマーソングが聞こえてくる。夏の日差しの下で全てのものが眩しかった。

そうして夏のシーンが重なっていく。

アルチザン

歌謡曲ではない本格的なポップスを渇望していた若者にとってタツローの登場は正に待望の出来事だった。

深い知識と高い演奏技術に基づく緻密で複雑なアレンジ。職人的な造りながらキャッチ―な楽曲は大きな支持を得た。そして、多くのフォロワーが生まれた。

タツローには夏を背景にした歌が多い。叶わぬ熱い思いや過ぎ去った恋の歌に登場する「美しい貴女」とは「夏」のことなのかもしれない。

Cheers up! The Summer

「あの夏」を持ってる人は素敵だと思う。それは大切な心の宝箱。タツローの歌は宝箱を開ける鍵なのだ。

また夏がやってくる。あの頃僕らの味方だった太陽は年々暴力的になっていくように感じる。だけど今年はCOME ALONG 3がある。僕らはきっと新しい宝物を見つけることができるだろう。

COME ALONG 3

「COME ALONG」「COME ALONG2」も同時発売

「COME ALONG 3」が発売されるのを機に、リマスタリングした「COME ALONG(1980)」「COME ALONG 2(1983)」を2017年最新リマスタリング・新価格にて同時発売!

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