芥川賞受賞作
「推し、燃ゆ」宇佐見りん
「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい」逃避でも依存でもない、推しは私の背骨だ。アイドル上野真幸を“解釈“することに心血を注ぐあかり。ある日突然、推しが炎上し——。デビュー作『かか』は第56回文藝賞及び第33回三島賞を受賞(三島賞は史上最年少受賞)。21歳、圧巻の第二作。
直木賞受賞作
「心淋し川(うらさびしがわ)」西條奈加
「誰の心にも淀みはある。でも、それが人ってもんでね」江戸、千駄木町の一角は心町(うらまち)と呼ばれ、そこには「心淋し川(うらさびしがわ)」と呼ばれる小さく淀んだ川が流れていた。川のどん詰まりには古びた長屋が建ち並び、そこに暮らす人々もまた、人生という川の流れに行き詰まり、もがいていた。生きる喜びと生きる哀しみが織りなす、著者渾身の時代小説全六話。
第164回芥川賞候補作一覧(掲載誌)
宇佐見りん「推し、燃ゆ」(「文藝秋季号」)尾崎世界観「母影」(「新潮 2020年12月号」)
木崎みつ子「コンジュジ」(「すばる 2020年11月号」)
砂川文次「小隊」(「文學界 2020年9月号」)
乗代雄介 「旅する練習」(「群像 2020年12月号」)
第164回直木賞候補作一覧
芦沢央「汚れた手をそこで拭かない」伊与原新「八月の銀の雪」
加藤シゲアキ「オルタネート」
西條奈加「心淋し川(うらさびしがわ)」
坂上泉「インビジブル」
長浦京「アンダードッグス」