芥川賞受賞作
「首里の馬」高山羽根子
この島のできる限りの情報が、いつか全世界の真実と接続するように――。沖縄の古びた郷土資料館に眠る数多の記録。遠く隔った場所にいる友とのオンライン通話。台風の夜にあらわれた幻の宮古馬。世界が変貌し続ける今、しずかな祈りが切実に胸にせまる感動作。「破局」遠野遥
私を阻むものは、私自身にほかならない――ラグビー、筋トレ、恋とセックス。ふたりの女を行き来する、いびつなキャンパスライフ。28歳の鬼才が放つ、新時代の虚無。直木賞受賞作
「少年と犬」馳星周
2011年秋、仙台。震災で職を失った和正は、認知症の母とその母を介護する姉の生活を支えようと、犯罪まがいの仕事をしていた。ある日和正は、コンビニで、ガリガリに痩せた野良犬を拾う。多聞という名らしいその犬は賢く、和正はすぐに魅了された。だが、多聞はいつもなぜか南の方角に顔を向けていた。多聞は何を求め、どこに行こうとしているのか……。犬を愛するすべての人に捧げる感涙作!第163回芥川賞候補作一覧(掲載誌)
高山羽根子「首里の馬」(「新潮 2020年3月号」)遠野遥「破局」(「文芸 2020年夏季号」)
石原燃「赤い砂を蹴る」(「文学界 2020年6月号」)
岡本学「アウア・エイジ(Our Age)」(「群像 2020年2月号」)
三木三奈 「アキちゃん」(「文学界 2020年5月号」)
第163回直木賞候補作一覧
馳星周「少年と犬」伊吹有喜「雲を紡ぐ」
今村翔吾「じんかん」
澤田瞳子「能楽ものがたり 稚児桜」
遠田潤子「銀花の蔵」